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    メディアでイメージアップ「映画やドラマ」国と業界で対外発信を

    2014年6月2日

     
     
     

     2015年度には14万5000人のドライバー不足が試算されている運送業界。震災復興や東京五輪に沸く建設業界は、国のテコ入れで人材不足の解消が期待されている。運送業界では中型免許制度改正の動きもあるが、今後の人材難に対する抜本的解決とは言い難い。少子高齢化が加速する中、若い労働力確保の争奪戦に拍車がかかりそうだ。業界のイメージアップを図るためにも、大胆なメディア戦略を一考してはどうだろうか。



     運送会社を訪問するたびに話題になるのがドライバー不足問題。愛知県内の運送会社の社長は「○○○○(某有名俳優)主演で、トラックドライバーのドラマでもしてくれないか。対策をあれこれ考えるよりイメージアップになり即効性がある」と話す。同県の別の社長も「ドライバーに視点を当てたドラマや映画があればいいんだが。若者に興味を持ってもらわないことには話にならない。本当に将来が不安になってくる」と口にする。

     あるサイトの人気職業ランキングを見ると、言うまでもなくトラックドライバーはランク外で、運転を業務とする職業は電車運転士やパイロットが100位近くに推移している。若者の車離れに象徴されるように、運転する職業は不人気であることがわかる。

     国交省が高校生と高校の就職担当の先生に実施したアンケートによると、社会に対する貢献度の評価は高いものの「きつい」「危険」との回答が多数。賃金に関しても「安い」、労働時間も「長い」というマイナスイメージで形成されている。

     マイナスイメージを払拭させるためにも、映画やドラマ、CMなどを用いたメディアを駆使するのも一つの方法だ。費用がかかり、安直だという意見もありそうだが、人間の視覚に訴えかけるのは非常に効果的である。いくつか例を挙げてみると、海難救助を中心とした海上保安官の活躍を描いた「海猿」。「海猿」という呼称が映画やドラマのヒット以降、一般人が海上保安官の潜水士を指すまでに浸透している。この効果により海上保安官の志願者数も増えている。また、海上保安庁が全面協力している点も見逃してはいけない。

     もう一つは映画「おくりびと」。この映画により、「納棺師」という職業が世に広く知れわたることになった。ある生命保険会社の調査によると、同映画の観賞で「葬儀に関する仕事に対しての尊敬が強くなった」「厳粛な職業だと思った」といった回答を得ている。映画によって職業観の意識を大きく変化させていることがわかる。

     各事業所での企業としてのイメージアップや職場環境の整備で人材を招き入れる努力はもちろん不可欠だ。しかし、人々が考える職業イメージや理解不足がある中で、企業努力だけでは厳しいと言わざるを得ない状況である。これからの物流業界を本当に憂うのであれば、国交省と業界団体が一致団結して、対外発信力を強化していく必要があるのではないだろうか。

     
     
     
     
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