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高速道路の駐車スペース不足…「大型用」拡張に期待
2014年6月5日
労働時間の短縮化が大きな課題になっているトラック運送業界では、「コスト増は避けられないものの、改善基準を守るためには仕方ない」との判断で高速道路の利用が増加。また、燃費の違いを考えれば「一般道路をメーンに運行ルートを組むことが、果たして節約になるのかどうか」というほどの燃料高騰ぶりが、おのずと営業トラックを高速道路へと誘い込んでいる。そこで問題になるのが、かねて不足が指摘されてきた駐車スペース。道路会社も現地の状況を確認しながら拡張工事を進めているが、車種ごとに決められた駐車枠を守るなど、限られた施設を共用するうえで利用者のマナー徹底を図る必要もある。
高速道路のSAやPAの敷地内は、流入・流出路などの一部エリアを除いて駐車違反にならず、「トレーラ」「大型車」「小型車」など車種ごとに駐車枠が指定されているものの、どこに止めても違反になるわけではないのが実情だ。「空いていると思ってハンドルを切った先に1台の軽自動車。左右のトラックに隠れて見えないから、夜間だとスモール(ライト)を点灯していなければ追突される危険もある」と、山陽道の福山SAで休憩していた大型トラック(長崎ナンバー)のドライバー。福岡ナンバーの大型ドライバーも「トラックの間から子供が飛び出してきてヒヤッとしたことがある」と話す。大型トラック用のスペースに平然と止める普通乗用車が少なくないのは確かだが、数台分の小型枠を1台のトラックが占領するという逆パターンも少なくないから「お互いさま」という感もある。ただ、単に駐車できないという問題だけでなく、前出のドライバーらが話すようなリスクもあることから、道路会社もパトロールしながら定位置への車両移動を促しているという。
一方、そうした問題への対策と並行して、改善の期待がかかる一つが駐車スペースの拡張だ。山陽道では昨年3月に福山SA(広島県)の上り線、同12月に佐波川SA(山口県)の上下線、今年1月に下松SA(同)の上下線でも駐車スペースが拡張された。さらに、今秋の供用開始をめどに中国道との合流点から西側にある中国道・伊佐PAで、また同美東SAでも年内の完成をめざして拡張工事が計画されている。
ネクスコ西日本によれば、「例えば、下り線の美東SAの場合は大型車枠が26台分しかないのが現状。未確定だが、これを86台まで広げる方向で検討している」(中国支社)という。道路会社による現地調査では「特に平日深夜帯のスペース不足が深刻」との認識が示されており、そうした状況を踏まえて大型車枠の拡充に主眼を置いた施策を進める方向にあるようだ。
生活・景気対策として平成21年3月28日に始まった休日特別割引、いわゆる「1000円高速」(同23年6月19日で終了)によって高速SA・PAが大混雑したことで開始から2か月後の同21年5月28日、山口県トラック協会は道路会社に対して「トラックの駐車スペース不足が深刻な状況にある」と訴え、事態の改善を求めた経緯がある。道路会社では「実現できるかどうかは別として、ユーザーの声を無視することはできない。ただ、周辺の用地や地形の問題もあり、(仮に要望があったとしても拡張が可能かどうか)現地調査と合わせて検討していくことになるだろう」(同支社)と説明している。
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