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    後継者「子どもに」「社員に」「終わらせる」各事業者の考え

    2014年8月18日

     
     
     

    koukeisya_0811.jpg 運送会社だけでなく、すべての中小・零細企業に関係するのが後継者問題。「子どもに継いでもらいたい」「実力のある社員に」「自分の代で終わらせる」など、さまざまな意見や考え方がある。



     三重ト協会長を務める西野衛社長(西野、三重県四日市市)は、「世襲制ではない。社内で決めていく」という。「会社の中には仕事を理解している人間、任せたことを完璧にやる人間などさまざま。しかし、何もかもできるタイプは独立してしまうことも多い。会社が生き残るためには、どのようにすればいいのか考えたい」という。

     また、愛知県の運送事業者は「息子を呼び寄せることにした」という。「近い将来、経営を任せたいと思っている。しかし、家族の中に反対する者もおり、思案中」という。「娘に継がせようと考えている」と話す愛知県内にある60歳代の事業者。「昔のように儲からず先行きも不透明。燃料やコンプライアンスの問題もあり、後を継がすのは申し訳ない」と思う一方で、「ここまでやってきたのだから、終わらせてしまうのはもったいない。社員の生活もあり、辞めたくても辞められない」と本音を明かす。

     同県の40歳代の社長は「私自身がまだ若く、後継者問題について深く考えたことはないが、子どもに無理に継がせようとは思っていない」とあっさり。「物流業がなくならないといっても事業経営とは別の話。これからも厳しい状況は変わらないため継いでくれとは言えない。今は、運送業に固執せずに新事業も模索している」と新たな道に活路を見いだそうとしている。

     「年齢を言い訳にして後継者問題を語るのはナンセンス。自分が経営者として会社に役立つのか、そうでないのかを基準に考えるべき」と話すのは、同県の60歳代の社長。もちろん、自身の不測の事態にも備えた上での話。「自分が動ける間は第一線でやるため、健康管理には人一倍気を遣っている。私に付いてきてくれる社員に応えていく必要がある」と経営者としての姿勢を説く。「後継者問題は経営者として会社に利益をもたらしているか、社員に必要とされているかで判断するべき。自分がいる間は、会社を安定した強固なものに作り上げる。そうすれば後継者が全くいなくても事業規模の大きい会社に高く売ることもできる」との考えを示す。

     同県の事業者は「今はドライバー不足に頭を悩ませている状態だが、そのうち、後継者問題が課題になってくる。経営マインドを持った人間を育成する必要があり、そういった仕組み作りに早急に取り組まなければならない」と話す。

     中小企業庁の「中小企業白書」(2014年4月)によると、「後継者の育成には『3年以上必要』と考えている経営者が8割以上だが、60代6割、70代5割、80代の4割が事業承継の準備ができていない」としている。対応策として「外部にまで後継者を求める中小企業・小規模事業者に配慮し、高い事業意欲ある人材を確保し、後継者ニーズのある企業とマッチングさせるとともに長期的にフォローアップしていく」ことも重要としている。

     
     
     
     
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