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    短期使用で「利益」を生む 修理が必要になる前にトラック売却

    2014年10月30日

     
     
     

    truck2_1027.jpg 今までトラックなどは「償却が終了してからが儲け」と考える運送事業者が多く、新車購入から10年が経過しても使用するところが多かった。しかし最近では、短期のリースやローンによる償却で、早い時期にトラックを売却する運送会社も増えている。



     大阪市平野区の運送A社では、標準的な装備の冷蔵車を約1年で売却しているという。A社では現在、スーパーの食品配送を手掛けており、約30台の車両を保有している。冷蔵・冷凍車は現在、新車で購入する場合、発注して4か月から6か月で納車される。そのためA社では、大量に発注して約1年間使用した後、自社でも行っている古物商での販売やオークションへの出品を行い、早い段階でトラックを入れ替えている。

     従来ならトラックは長い期間使用して、ようやく利益が得られると思われていたが、A社社長は「新車の製造期間が遅く、トラックを必要している事業者は新しい車両が中古で出品されれば、すぐにでも欲しいとの思いがあるようで、高額であっても新しく程度の良い中古車は売れる」という。

     さらに、A社にとっても、新車から1年程度の車両であれば故障の修理(事故以外)や車検などの費用が掛からないため、その分の経費はゼロとなる。1年間使用したリース料がゼロというケースもあり、早期でのリースならびにローンで購入し、高額で売却されれば利益が得られると語った。

     また、大阪府堺市の運送B社でも「特殊車両や平ボディーのトラックを5年未満で売却する。古物商資格を取得する関連会社から中古として売却することで、修理費用の大幅削減になる」という。さらに、特殊車両や平ボディー車は価値が高く、新しい年式は高額で売却できることから、B社でもトラックを5年未満という早期に売却しているようだ。

     大阪市の運送C社社長は、「車両は5年以上経過すれば(特に大型トラックやトレーラは)故障も多くなり、ブレーキのライニングなどの張り替えで修理費用もかかる。しかし、早期に車両を売却すれば、そうした経費も掛からない」とし、「高額で売れるため、早期の車両の売却は理想。しかし、新車を計画的に購入していくことは資金的にも余裕がなくてはならない。当社でもできる限り車両の入れ替え時期を早め、修理費などの経費を抑える努力が必要とは思う。できる限り早期の車両売却を行っていきたい」と話した。

     過去の運送事業では、車両は長く使えば使うほど利益が得られると思われていたが、最近では車両の性能がよく、部品一つも高額で交換となれば数十万、数百万円の修理費が必要となるため、修理が必要になる前に売却することで利益を得ている事業者もあるようだ。

     
     
     
     
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