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物流ニュース
プラウド・宇野さん「女性運転者に活躍の場を」
2007年5月30日
ドライバー専門の派遣会社・プラウド(石山光博社長、東京都千代田区)で働く宇野杏子さん。大学卒業以来ドライバー職に就き、前職ではドライバーコンテスト・女性の部で全国優勝の経歴を持つ。明るい人柄と丁寧な仕事で、顧客からの信用も高い。
現在、同社の業務管理部で、派遣スタッフのコーディネートをするかたわら、自身も幼稚園の送迎バスの運転指導や検診車の運転兼受付業務を行っている。
「両職とも女性スタッフ限定」と話す宇野さんは笑顔を絶やさない。しかし、これまで幾度も「女性の壁に当たり、そのたびに打ち壊してきた」と漏らす。
体を動かすことが好きで入学した体育系の大学。就職は、教職かスポーツジムなどのインストラクターをめざしていたが、「男女差別が激しかった当時、教職も男性しか受けられない狭き門。インストラクターは寿命が短い」と考え、運転が好きだったことからドライバーの道を選んだ。
しかし、ドライバーで就職したにもかかわらず、「女性の運転は危ない」「結婚したら仕事を辞める」と、周囲から乗車を禁止された。「男女差別と対決するには、まずは仕事で結果を出そう」と必死に努力。その甲斐あり、1年後には、個人宅配の軽トラックの業務を任された。すると、宇野さんを指名する配達先が出るほどになった。配達先は一人暮らしの女性が多く、「女性ドライバーが来ると安心する。女性だからこその得」と笑顔で語る。
宇野さんの仕事が評判になり、前職場では女性雇用の門戸が広く開かれた。あわせて、宇野さんはドライバーから管理部に移動。女性ドライバーの運転指導に就いた。関東圏に260近くあった営業所の半分を周って、たくさんの女性ドライバーと話す中で、彼女たちの境遇に共通点を発見。「30、40代が圧倒的に多く、その半数が主婦、またその半数がシングルマザーであること。本当は正社員で働きたいはずだが、当時の研修会は、4泊5日。彼女たちの生活では、この研修会への参加は不可能」と、「日帰り研修会を採用するよう直訴した」という。
現在プラウドで働く宇野さんは、「正社員の雇用条件では厳しく、働きたいのに働けないと悩んでいる人たちのために、何か提案したい」と、派遣スタッフのコーディネートを行っている。「自分に限界を作ってあきらめる女性が多いが、まずはその世界に踏み込んで欲しい。男性主体の物流業界だが、女性だからこそできる仕事もある。適材適所で協力し合うことが大事」と話す。(松宮志のぶ記者)
◎関連リンク→プラウド -
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