-
ブログ・高橋 聡
第182回:令和時代の運送業経営 BtoB、BtoC物流の現状(1)
2020年10月1日
今回より、「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウィルス影響の中で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしてまいります。
新型コロナウィルスの影響ですが、世界では感染拡大傾向が依然続いており、日本では都市部を中心に感染が拡大し1日あたり1000人を超える感染者が出るなど第2波の到来という状況となっています。
政府による財政・金融支援の積極化により株式市場、相場は維持されていますが実態経済は相当悪化してきており、業績が見通せないあるいは引き下げる判断を行う企業が多くなってきています。
運送業の状況としては、BtoB分野での物流を担う運送業への影響は大変大きく、弊社のお客様でもメーカーの減産、操業停止によりドライバーを休業させている会社があります。
出来るだけ受注を増やす努力をし、配車を分散し、ドライバーを短時間でも活用し給与を保障する考えもありますが、現在の状況下においては、「雇用調整助成金」の受給を前提としてドライバーを交代制で休業させる方が得策でしょう。
BtoB分野の物流は運賃の過当競争の対象になりにくく受注が安定しているといったメリットがある一方で、荷主の経営環境の変化やコロナ・災害等の影響を直接受ける点がデメリットとしてあげられます。つまり運送業者側で管理・コントロールできないようなマターが発生する事が多くあります。
一方でBtoC分野の物流は家庭内飲食いわゆる「巣ごもり需要」の急増で物量が増大しています。BtoC分野は運賃競争の対象となりやすい点、個人消費動向に左右される点などにより、一般的に薄利多売ではありますが、コロナ、災害などの際には受注量が急増するなど有事に強いのが特徴です。弊社のお客様でも日配品、食品、トイレタリー関連などを扱う運送会社は受注量が急増した会社があります。
次回以降、コロナ禍の下での労務管理の問題点、課題、対応策について解説してまいります。
-
-
-
-
筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
「ブログ・高橋 聡」の 月別記事一覧
-
「ブログ・高橋 聡」の新着記事
-
物流メルマガ