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ブログ・原 慶之
第64回:通関業者への認識差
2009年5月28日
中国では大きく2つの通関制度があります。輸出入を行う企業が自社通関士を雇用し、通関申告や税関との折衝を行う「自社通関方式」と、専門の通関会社に通関申告を委託する「代理通関方式」です。
一般的には「自社通関方式」は華南地域で主流、「代理通関方式」は華北地区以北で主流とされています。
日本では代理通関が主流ですが、通関業者が主体となって申告内容を記入する日本と大きく異なり、中国はあくまで輸出入者の「代理申告者」の位置づけで、必要な情報は輸出入者が提供します。この点で、荷主と通関業者の見解相違によるトラブルが散見されるので留意が必要です。
輸入関税の種類は、「最恵国税率」「暫定最恵国税率」「協定税率」「特恵税率」「普通税率」に分類されます。WTO加盟国からの輸入は最恵国税率が適用されるため、日本からの輸入も同税率が適用されます。WTO加盟後、毎年関税率が見直され、平均税率は引き下げられてきました。
消耗品や原料・部材は原則、関税・増値税ともに課税となりますが、中国での生産後の輸出が前提となる「加工貿易」の場合、原料・部材は保税扱いとなります。また生産型企業が自社で使用する生産設備は、関税・増値税は免税となる場合があります。
ただ、増値税の還付率が引き下げられるなど、今後も法制度の改正を注意深く見ていく必要があります。この記事へのコメント
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筆者紹介
原 慶之
ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。 多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。 情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。 -
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