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運送会社
内外液輸 伊藤貴康社長 チーム対抗の報奨制度で従業員のやる気刺激
2024年10月15日
神奈川県を拠点に液体輸送サービスを展開する内外液輸(川崎市川崎区)の伊藤貴康社長が家業である同社に入社したのは20年ほど前にさかのぼる。大学卒業後、IT業界に身を置き、システムエンジニアとして活躍していた。IT業界でのキャリアに一区切りをつけたタイミングで、親孝行の気持ちもあり、入社を決めた。
IT業界と物流業界では何もかもが異なっており、初めは驚きや戸惑いの連続だったと振り返る。IT業界時代も管理職を経験していたが、ITと物流では働く人の気質や考え方が全く異なる。ITやエンジニアの世界では論理的思考が何よりも重視されたが、物流業界での人間関係は論理的な正しさだけではなく、感情を読み解く必要があった。スムーズなやり取りができるようになるまで4、5年かかったと振り返る。
同社長が特に力を入れているのは人材への投資だ。3年ほど前からチーム対抗による報奨制度を設けている。トラブルが無かったチームが報奨を得ることができる。チーム制を採り入れたのは、トラブルの数を減らすことが目的だ。「トラブルを起こしてしまう人間はある程度決まってくる」と同社長。一方で、上司や社長が頭ごなしに注意するだけではなかなか改善に結びつかない。普段の人間関係もあるため、同僚であるチームメイトからの注意やアドバイスの方がずっと効果的だという。
加えて、同社では報奨の持ち越しを行っている。獲得チームがいなかった場合は次回に加算。獲得できる報奨の額も上がるため、従業員のやる気を刺激することができる。
同社の社員は若手が比較的多く、専門性が高い職場であることからドライバー同士で会話する機会が多い。会社として、コミュニケーションを助長する仕組みを後押ししていきたい考えだ。今の制度も3年目を迎え、「同じ手法を続けていればマンネリ化してしまう」と同社長。事故や失敗を無くしていくため、新たな施策を検討している。
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