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運送会社
サワヤ 塩田敏広社長 「ホールディングス化が夢」
2020年3月10日
【神奈川】サワヤ(藤沢市)は昨年11月に13期を迎えた。バスの運転者を14年間勤め、運送会社で2年間の修業を積んだのち、同社を一代で築き上げた塩田敏広社長は、「日々、波乱万丈の連続だった」と、これまでを振り返る。
「昨年末に21台目のトラックが納車されたが、今月10日にもう1台、4トン車が入ってくる予定」という同社だが、順風満帆という訳ではなかった。「設立直後にリーマン・ショックが起きた。その後に東日本大震災。燃料が高騰したり、震災直後は買えない事態に直面した」と話す。
それでも、「顧客第一に、地道に信頼を勝ち取り、ここまでやってきた」。現在では、ドライバー19人、配車1人を抱えるまでに成長。「20代のドライバーが8人おり、若手が多いことは他社からも羨ましがられる」と笑みをこぼす。
「設立当初から経理は妻に任せている。成人した子ども2人は共ともにドライバーとして頑張ってくれている」と目を細める同社長。「当社では資格の取得支援も行っている。未経験からドライバーとして活躍する若手も多い」
同社ではこのほど、新規事業としてリサイクル事業部を立ち上げた。「長男をその責任者に任命し、配送部門はトランスポート事業部として、長女に部長の肩書を与えた。それぞれ責任感を強めてほしいという思いから」。同社長は、「運送以外の事業を立ち上げたり、どんどんドライバーに仕事を任せていきたい。ホールディングス化が夢」と青写真を描く。「家族一丸となって会社を支えてくれている」。
また、同社では2か月に1度、全社員が集まってミーティングを開催している。「これまでに重大事故はゼロ。安全運転に対する意識を深められている」と胸を張る。
自身もバスの運転者として勤務した経験から、「運転技術は負けない」と息を巻く。「当時はコップの水をこぼさないような運転を先輩から指導された。アクセルワーク・クラッチワークは当社一と自負している」。
そんな同社長に辛かった仕事について聞くと、「『こういう車両じゃないとできない仕事』と言われ、その通りの車両を用意してみると、『その仕事はもうなくなった』と言われたことも数度あった」と明かす。「今はその経験を糧に、所有している車両でできる仕事だけをいただいている。『断る勇気』も必要」。
「運賃交渉は取引先の半分以上が応じてくれた」というが、「運送会社の経営は、思い描いた理想通りにはならないことも多々ある」と本音を吐露。「ドライバーの負担をなるべく減らしていく。どうやってカバーするかといえば、高速代を出すなど、やっぱり金銭面が重要」と指摘する。
女性ドライバーの活躍も目覚ましい同社。現在、女性ドライバーは3人だというが、「もっと増やして活躍をPRしていきたい」と意気込む。
「ドライバー教育はあいさつが基本」と強調。「最初は、あいさつできない若手もいる。ドライバーの親になった気持ちで、一から教えることもある」と苦笑い。「元気とあいさつは基本中の基本」。
この仕事のやりがいは、「配車がキレイに決まって、受注に応えられた時」という塩田社長。「運送は仕事を通して会社と会社、人と人をつなげられるもの。これからも精進したい」と熱く語った。
◎関連リンク→ 株式会社サワヤ
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