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製品・IT
田坂鋼業 ホイールナットの固定器具「ゼイフティラグロック」〝緩まない〟機能が評価
2023年3月31日
タイヤの脱落事故が後を絶たない。国交省の発表では令和3年の大型車の車輪脱落事故は全国で123件(うち人身事故は5件)起きている。特に履き替えシーズンの11月から2月の事故発生率は64%に上る。一方、現場では日常点検が流れ作業になってしまい、異状に気付かないこともあるのが実情だ。
こうしたなか、ホイールナットを固定することで、車輪の脱落を防止する商品が注目を集めている。
大型車両の部品、物流資材を販売する田坂鋼業(田坂寛子社長、広島市西区)が昨年5月に販売を始めたホイールナットの固定器具「ゼイフティラグロック」は〝緩まない〟機能が評価され、導入事例が広がっている。
同商品は、カナダのタフカンコンサルティング社が開発、製造するホイールナットを固定することで車輪脱落を防ぐ器具。従来のマーカー類のように緩みを見つける器具ではなく、2本のホイールナットを連結し、互いの抵抗力を利用して固定する。ナットに嵌める部分の内側は歯状でナット自体が回転せず外れない仕組み。手で脱着可能で、再利用できるのも特長だ。
素材は3種類の樹脂を混合しており、マイナス40度から160度までの環境に対応。30万キロ走っても変質がないことを第三者の検査機関で確認。カナダ、北米などで国際特許を取得している。
注意したいのは、緩まないからと言って日常点検が不要ではないということだ。
ゼイフティラグロック事業部の高井周平部長は「緩まない機能を生かして止めるという現実的な対策が取れるが、あくまでもナットの回転を防ぐ器具」と強調する。
日常点検では、ホイールナットを見る、触る、ハンマーを使って音や振動を確認するが、このすべてを装着したままで実施できることを大阪運輸支局の検査部門で確認済みという。「この3つがクリアできる限りは保安基準を満たせるとの見解だった」(同部長)と言い、そのまま車検に出すこともできる。
これまでにトラックディーラー、タイヤメーカー、整備工場を通して運送会社でも使われており、販売実績は1万個に上るという。
同部長は、「装着後に緩んだ例は1件もないと承知している。通常、ホイールを止めようとする『軸力』は必ず落ちてくるが、同商品を付ければナットが飛ぶようなことは最低限防げると考える」と話している。
◎関連リンク→ 田坂鋼業株式会社
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