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物流ニュース
フォークリフトの用途外使用で死亡事故 原因究明や防止対策が重要
2021年10月6日
フォークリフトを用途外使用したとして、東京に本社がある製袋業の課長が労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで書類送検された。工場敷地内のテント倉庫のカバーがめくれあがっており、課長と被災者はカバーを直す作業を行おうとしていたという。労働者がフォークリトの爪に付けた木製パレットから約3m転落し、死亡している。
運送業においては、4年前にフォークリフトにパレットを乗せ、天井の照明を替えようとして社員が転落し死亡するという事故も発生している。倉庫の中での命に関わる労災の代表的な原因といえば、フォークリフトに関する事故ではないだろうか。前述の事故事例は正しい用途でない場合の事故だが、日常の操作の中にも危険性は潜んでいる。墜落や転落のほかにも、「はさまれ・巻き込まれ」「作業者への激突」「転倒」の4分類に分けられ、運転の操作ミスや安全確認の怠り、作業範囲が不明瞭であることなどが主な事故原因だ。
フォークリフトによる労働災害は、トラックの死傷事故件数に比べると一見少ないが、決して見過ごせる件数ではない。フォークリフトは予期せぬトラブルや事故の可能性を持つ特殊車両だ。現場でフォークリフトの死亡事故を起こさないためには、過去の事故事例などから学び、原因究明や防止対策を練っておくことが重要ではないだろうか。
フォークリフトと人の通路を分ける、安全な乗り方・安全な荷物の積み方の徹底などはもちろん、フォークリフト専用のドライブレコーダーを採用するのも、安全対策の一つだ。そして何よりも、正しい用途での使用を徹底させることも重要と言える。
現場内でのフォークリフト事故対策は、商品破損の対策や他の作業者との接触対策などにどうしても偏りがちだ。実際に、どのような事故が起きているのかを知ることで安全意識を高め、改めて現場内の危険箇所を洗い出していくことで事故の抑止を行っていくことが、事故防止の最善の近道ではないだろうか。
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うちも無茶苦茶な使い方してる。社長が1番やるから誰も注意できない
この類の事故何回目だよ。
まあでもフォークの爪、あるいは爪に刺したパレットの上に乗って高い所にある商品を取ったり、高所作業するのは町工場ならあるあるなんですよね。
例えば固定ラック内で荷崩れが起きたら高所作業車レンタルして復旧作業する会社ってあるの?
普通はパレットに人乗せて高所作業するよね