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    シングルヘッドの「バラ緩」がピンチ

    2010年8月10日

     
     
     

     いわゆる「バラ積み緩和」で脚光を浴びてきたシングルヘッド(2軸)のトラクタだが、運輸当局が「今後の新規登録は一切認めない」とする姿勢を示すなど雲行きが怪しくなっている。ツーデフ(3軸)に比べて車体価格は安く、燃費もいい。場合によっては高速料金が大幅に軽減できる点もメリットだが、「交差点やカーブで横転の危険性が少ない」と、安全性で優れるツーデフ支持派も根強い。
     しかし今後、そうした選択肢が運送経営の現場から消える可能性が強まっている。行政サイドは「何かが変わるわけではなく、厳正に運用するということ」とのスタンスで、現場で混乱を招いている今回の問題を、「あえて周知するつもりはない」としている。


     「新型車(ポスト新長期)がダメということではなく、タイミング的なもの」と国交省の担当官。バラ緩の認定書に有効期間がないことで、現行体制に手を加えるとすればモデルチェンジが数少ない契機であるというのが役所の認識。さらに「本当に走れる道路があるのか、そうした輸送ニーズがあるのか。ムダな申請手続きをしてもらっている可能性もある」(同)という。
     鋼材や雑貨輸送などで現在、シングルヘッドに3軸シャシーを連結するケースは珍しくない。理由は、車体価格や燃費などツーデフに比べてコストが抑制できる点が大きい。近年では、一定重量を下回る積載状態の場合に車軸が跳ね上がるリフトアクスルと呼ばれるシャシーも広がっており、高速料金が「特大」から「大型」に格下げされるのも魅力だが、そのシャシーも意味を失うことになる。
     こうした効率的かつ、経済的なメリットを持つシングルヘッドのバラ緩和だが、今後は国交省が「単体物と見なされる海上コンテナは別だが、新型(ポスト新長期)トラクタのバラ積みに関しての一括緩和は認めない」と明言。一方、「これまでも『本当に必要か』を個別に審査したうえで認定すべき問題であり、そういう意味で個別緩和まで認めないということではない」と補足するものの、裏を返せば「通行許可の確認が取れない限りは(個別緩和も)認めない」ということで事実上、登録はほぼ不可能。すでに一部の地方運輸局では同趣旨に沿った運用を開始しており、「7月に入って新規認定が下りなくなった」という声が聞かれる。
     バラ緩和のトレーラ保有事業者が運輸行政の対応変化に戸惑うなかで、当局では「連結総重量は44トンとなっているが、軸重の緩和については記されていない。あくまで通行許可を取るのが原則で、それが守られていないということ。何かが変わるわけではないから、あらためて周知する必要はない」との見解。「なぜ従来は認めたのか」「車両性能や道路事情が改善された現在でも『連結総重量44トン』とする根拠は何か」といった運送現場の憤りは日増しに膨れ上がっている。

     
     
     
     

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