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    トラックドライバー 重要な仕事のはずだが…

    2012年2月28日

     
     
     

     全国90万人の事業用トラックドライバーの頂点に立った尾島康晴氏ら4人が、野田佳彦内閣総理大臣を表敬訪問した。野田総理は「心からお祝いを申し上げる。相当な努力があって優勝できたことと思う」と激励。
     全ト協でも「内外に向けた事故防止の重要性喚起にも寄与するものであり、安全対策推進の観点からも意義深い」としている。国のトップに認められているトラックドライバーという職だが、社会的地位を考えると疑問符も多い。トラックドライバーという職業を考えてみたい。
     全ト協では今回の表敬訪問について、「優勝者及び1000人を超える地方コンテスト参加者をはじめ、全国の約90万人の事業用トラックドライバーに対し、プロドライバーとしての誇りと自覚を持たせるための貴重な機会となる」と考えている。


     野田総理も「トラック輸送は人と人をつなぎ、暮らしをつなぎ、仕事をつないで日本の産業に貢献する大事な仕事だ」とした上で、「安全運転を心掛けながら、技術やモラルの向上のため、伝える方の役割も果たしていただきたい」と激励。まさに、トラックドライバーという職が社会を支える重要な職業だと、国のトップに認められた証左だろう。
     一方でトラックドライバーをはじめ物流業全体を取り巻く一般的な声では、往年の映画「トラック野郎」のようなイメージを持つものも少なくない。同映画が違法な白トラであるにもかかわらず、いわゆる「デコトラ」と普通の運送事業者のトラックを混同して考える風潮はなくなっていない。一部の違法業者をもって、全体のイメージ低下を招いている状況と似ている。
     また、全ト協が「本格的な少子高齢化時代を迎えるなかで、ドライバー不足の深刻化を懸念、我が国の安定的な物流基盤維持のためにも、優秀なドライバーの確保・養成が重要な課題」と言っているように、運転者の高齢化がすでに顕著になっている。運輸労連のアンケートによると、平成13年の調査では、20代のドライバーが16.2%で、60代が1.7%だったが、23年では、20代が7.5%に減少。60代が6.1%にまで増加している。
     全ト協の「トラック輸送産業の現状と課題」によると、「運転者数は18年度の約92万人をピークに2年連続で減少し、20年度は85万6295人となった」という。また、「22年度の運転者、事務職などすべての職種を合わせた従業員の平均年齢は43.1歳、勤続年数は12年8か月であった。平均年齢では、21年度はやや下がったものの、22年度は再び43歳を上回る水準となった」とし、前出の運輸労連のアンケート結果を裏付けている。
     ドライバー離れが進んでいるにもかかわらず、中型免許制度などが人材獲得の壁になっている状況はそのまま。全ト協のドラコンで内閣総理大臣賞を受賞した尾島さんは会見で、「休日の時間に練習・勉強することに同意してくれた家族に感謝したい。練習通りに平常心を保つように心がけた」とコメントしている。普段からの並々ならぬ練習量がうかがえる一言だろう。
     このような人材を育てる一方で、トラックドライバーへの就職を阻害する制度はなくさなくてはならない。

     
     
     
     

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