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物流ニュース
新開トランスポートシステムズ 佐藤勝社長「共同・融和の心で取り組む」
2018年8月22日
創業者の河守浩氏が明治42年(1909年)に東京・銀座出雲町(現・銀座7丁目)に運送店「共同社」をスタートさせたことが始まりという新開トランスポートシステムズ(東京都江東区)。佐藤勝社長に、これまでの同社の歩みなどを振り返ってもらった。
同社が100年以上続いた秘けつについて佐藤社長は、「社訓に集約されている」という。銀座での創業時に海運業を営み、昭和に入って満州(当時、現中国東北部)などに物資を運び、近年は通信機器など精密機器のロジスティクスに携わってきた同社。「常に企業の中にあったのは、社訓の『共同・融和の心』。これは、社員一人ひとりが力を集結し連携することで、一体感をもって仕事をするということ。次に『貢献する心』。100年続けられた背景には、この社訓が大きいと考えている。事業を通じて社会へ貢献するとともに、お客様の要望にきちんと対応し、お客様のビジネスに貢献するということ」と指摘する。
「会社は公器、と考えており、物流事業を通じて社会に貢献してきた。『挑戦する心』というのは、失敗を恐れず常に挑戦者であること。時代の移り変わりにも、自分たちも変わってチャレンジを続けることが大切」という佐藤社長。「スーパーコンピューターや人工衛星の輸送梱包も手がけてきた。運ぶだけではなく、きちんと設置まで完了させる。さまざまなことにチャレンジしてきたからこそ、ここまで続けてこれた。この社訓は、現在の3代目古賀あや会長によって2010年に明文化された。いままで培ってきた企業の風土や考え方が簡潔に表されている」という。
2代目の河守和彦氏は医師でもあった。「体の機能はみんなネットワークを組んで連携している。物流も同じシステム」と考えて49年前に「STS(新開トランスポートシステムズ)の概念を考えた。この社訓と概念が当社の根幹となり、時代とともに様々なサービスが枝葉のように広まってきた」
「転換期はいろいろあったが、バブル経済崩壊以降は他社との差別化を考えてきた。新開らしい事業を進めようと、サプライチェーン全体を見渡して、従来の物流の前後に注目した。サプライチェーンの中で新開が提供できるサービスがあるのではないかと」と説明する佐藤社長。「顧客に負担をかけないで、ワンストップで物流と物流に隣接する複数の機能を提供できるように努力している」という。
また、今後の取り組みについては「時代のニーズに合った精密機器のトータルソリューションを追求し、お客様から信頼される企業でありたい」と話す同社長。「他社が『できません』という仕事でも『どのようにやろうか』と考えるのが新開流。この姿勢は会社に染み付いたもの。『仕事は断るものではない。お客様のことを考えよう』という声を社員からよく聞く」という。
佐藤社長は「100年後の当社が、どのように変わっているか想像もできないが、物流を軸にしたトータルソリューションを模索し続けているのは確かでしょう」という。
◎関連リンク→株式会社新開トランスポートシステムズ
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