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    鋼材輸送の今後 ドライバー確保や定着率向上が課題

    2018年11月5日New!!

     
     
     

     東京オリンピックに向けた建設投資や耐震補強工事などによる、鉄鋼内需は底堅く推移しているが、大幅な上積みは期待できない。また、自動車などの製造業向け需要についても、国内の生産活動の伸びは期待できないという。このような状況のなか、物流においては、ドライバー不足や労働時間の問題で、運びたくても運べないといった状況も生まれている。運送事業者では、事業継続のために、ドライバーの確保や定着率を高めることが、最重要課題となっている。鋼材輸送事業者の多くが、拘束時間や賃金の面で、ドライバーの労働環境改善に力を入れている。労働時間の問題では、荷積みから荷下ろし、会社に戻るまでの作業を、限られた時間内で行わなければならない。1、2時間のロスが、ドライバーにとって大きな負担となっている。

     昭和27年の創業で、鋼材物流を行っている興和運輸(今井準一社長、千葉県浦安市)では現在、雇用確保に力を入れている。人手不足の状況が労働時間の問題にも影響しているとの考えからだ。同社では、人柄を重視した採用を行っている。ドライバーの質が落ちてしまえば人手が増えても、会社にとってはマイナスになる。運送事業者が生き残るためには、他社との差別化、質の高さが重要になってくる。鉄の需要は減ることはあっても、なくなることはない。この需要を獲得するためには、質の高いドライバーによる質の高いサービスが大きなカギとなる。

     鋼材の小口混載や共同配送を行っているメタル便(梶大吉社長、同市)。全国9か所の配送サービス拠点をグループ企業でつないで、全国配送網を構築。主に路線業者で運んでもらえないもの、運ばないものなどを運んでいる。梶社長は「人手不足問題は、団塊世代が退職を迎えるこれからが、本当の正念場」と考え、「2年前くらいから、中高年者の価値を再検討し、45から55歳を中心に採用するようになった」という。

     同社は、短い期間で辞めていく若い人よりも、15年続けてくれる可能性の高い55歳くらいまでの年配者に注目するようになった。荷積み・荷下ろしは機械で行うため、健康であれば年配者でも十分戦力になると考えたからだ。また、同社では、月間の残業60時間を目指しているので、拘束時間の長い取引先とは「もう対応することができない」と、価格交渉なしで取引を中止した。ドライバーにとって負担になる仕事をとっても、会社にとってメリットが小さいからだ。梶社長は「ドライバーに長く働いてもらうためには、できるだけ負担をなくして、健康でいてもらわなければならない」とし、ドライバーに合わせた環境作りや仕事を行うことにしている。

     鋼材輸送を専門に今年で創業63年目を迎える大塚運送(東京都江戸川区)も、ドライバーに長く働いてもらえるように、働きやすい環境づくりに力を入れている。大塚仁志会長は「当社では売り上げが安定しているので、給料水準は業界の平均水準よりは多く出すことができる」とし、「スポット便の利用が多く、効率の良い組み合わせで利益が出るほか、多くの取引先を持っているので、1社に左右されず、価格交渉などもしやすい」としている。

     また、同社では労働時間についてもドライバーの負担にならないように、午前7時から午後5時を定時とし、年間休日は100日としている。今では労働時間と産業時間も業界の平均水準前後になっている。

     森田商運(山田正信社長、同足立区)の山田社長は、「労働時間の問題で、鉄の流通は今後どうなっていくのか、いろいろな課題が出ているように思う」とし、「ドライバー不足によって、運びに行けなくなる現場も出てくるかもしれない。人手不足での労働時間制約は業界にとって思っている以上に大変なことだ」と話す。「鋼材需要は、確実に先細りにあるが、なくなることはない。ただし、工場での組み立てなど建築工法の変化や、車も電気自動車になって、鉄を使ったアイテム数は少なくなっている。運送事業者が生き残っていくためには、ドライバーが集まる環境にしなければならない」としている。

     
     
     
     
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