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物流ニュース
カンダホールディングス 原島藤壽氏「海外に力を入れたい」
2019年4月16日
カンダホールディングスの原島藤壽専務(兼グループ会社統括室長)は4月1日付で、代表取締役社長に就任した。同社は戦時中、旧神田区内の運送会社16社が統合し、設立された神田運送が母体。当初、1期ごとに社長が交代したこともあり、原島氏は11代目の社長となる。現在、東証2部上場企業で、前3月期は過去最高の売上高409億円をマークした。カンダグループの総帥となる同氏に抱負などを聞いた。
――今のお気持ちは。
原島 勝又(一俊)社長を引き継ぐのは身の引き締まる思いだ。主要な子会社の社長を広く兼任したのは勝又氏だからできた。社長が代わったからといって会社の方向が大きく変わることはない。ホールディングスとして個々の事業会社の代表に任せ、当社の経営理念「和の精神」の下、明るく前向きにやっていく。
――取り組みたい新規事業など。
原島 海外に力を入れていきたい。日本の人口は減る一方で、海外ではどんどん増えていく。とくにアセアン地域への対応を何かしら考えなくてはならない。直近ではタイとインドネシアに現地法人を設けたが、まずその足場を固め、次の段階に着手したい。日本から進出した現地企業も含めた他企業との提携も視野に進めたい。国内もそうだが、業務提携やM&Aならスピード感を持って進められる。
――働き方改革について。
原島 私が入社した頃は、残業100時間でも「それで」という話だった。今はそうはいかない。ホールディングスとして個々の事業会社に対し、交通事故の防止やコンプライアンスはしっかり管理していく必要がある。わずかな法律違反でもグループ全体が大きなダメージを受ける。「利益を上げる」ために残業させては駄目。当然だが、法律をしっかり守った上で利益を目指す。
――現場では難しいという声もあるのでは。
原島 現場は確かに人手不足だが、長時間労働でなければできない仕事なら、その仕事自体を変えることが必要。逆に、伸びていて収支も合っており、残業も法律の枠内で収まる仕事が増やせるなら、そちらにシフトする。どんどん人が集まるなら良いが、もう人は集まらない時代だ。ブラックでないとやっていけない仕事なら、やる意味はない。学生も入ってこなくなる。学生が後輩に「良い会社だよ。お前も入らないか」と胸を張って言ってくれる会社にならなければいけない。
――現在、東ト協副会長をはじめ多くの関係団体の重責を担っているが。
原島 6万2000社ある色々な会社の人たちと交流でき、多くの情報が得られるのでありがたい。
――社内労組について。
原島 労組は従業員代表と思っている。これだけ人が少なくなってくると、従業員の声をきちんと経営の方に伝えられることが非常に重要になる。どんどん人が辞めていく会社は、従業員にとって「モノが言えなくなっている」会社。経営者にとって「耳の痛い」ことを言ってくる人はありがたい存在だ。
◎関連リンク→ カンダホールディングス株式会社
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