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物流ニュース
ユーピーアールと家庭紙メーカー4社 全社統一のレンタルパレット開発
2019年4月30日
家庭紙の荷役作業は現在、積載効率の向上などを理由に手積み手下ろしが多い。しかし、トラックドライバーの長時間労働・働きかた改革などが注目されている現在、荷役や荷待ち時間の長時間化および人手不足対策にはパレットの導入が必須だ。
パレットのレンタル事業を展開するユーピーアール(酒田義矢社長、東京都千代田区)は大手家庭紙メーカー4社(王子ネピア、カミ商事、大王製紙、日本製紙クレシア)と共に家庭紙パレット共同利用研究会を立ち上げ、全社統一モデルのレンタルパレットを開発。このパレットを普及・活用させることで、パレット導入コストやパレット回収・配送効率の向上といったメリットを提供している。
ユーピーアールが提供している専用パレットは、各メーカーの製品サイズならびにトラックに最適化されたサイズで、厚さも従来よりも薄く、強度対策はもちろん、積載面のフラット化・滑り止めゴムの厚みを薄くすることで荷痛み対策も施された。
同レンタルパレットを活用したパレットプールシステムでは、様々な成果が報告されている。例えば、積み下ろし時間を約120分から約15分まで削減。荷役時間やトラック待機時間の大幅な削減に成功している。加えて積載効率の低下も11型パレットを利用した場合に比べて大幅に抑えられ、商品によっては低下率を約10%以下に抑えられたケースも確認されている。同社レンタル事業部PPS企画グループ長の石川雄一氏は「メーカーはパレットレンタルコストが増え、着荷主側もパレットの回収・管理に協力してもらう必要という課題はある」としながらも、「今後、運賃も上昇し、物流業界全体で人手不足や・コスト対策といった取り組みを行わなければいけない時がくる。積載効率を大きく低下させず、荷待ち時間・荷役時間を大幅に減少できる取り組みは必須である」と話す。
今後、同社ではレンタルパレットの普及と合わせ様々な商品やサービスを活用した物流効率化施策を提案していくという。もちろん、パレット活用の高度化も例外ではなく、同社では次の効率化施策の一つとしてスマートパレットの導入を推奨している。
スマートパレットとは、半径300mにも及ぶ電波を発信可能なアクティブRFIDをパレット・カゴ車に取り付けることで、ゲートレスはもちろん、在庫管理の自動化・検品レス・伝票の自動出力など様々な効果を生むソリューションを指す。在庫管理以外にも動態管理に関わるシステムを搭載したトラックと組み合わせることで、移動中の貨物情報をリアルタイムで把握することも可能。レンタル事業部長の岩西慶太氏は「現在の取り組みでパレット管理の負担が課題となっている。スマートパレットを導入すればメーカーおよび荷主の労力・人件費を自動化によって抑えることが可能。お客様とその取引企業がコンプライアンスを守りつつ、将来の人手不足など諸問題に対応していただくためにもスマートパレットを広めていきたい」としている。
家庭紙パレット共同利用研究会では現在の共同物流における新たな参入メーカーを募集している。同氏は「当面は、日本家庭紙工業界の会員企業を中心に参加企業を募っていくことになる」としている。
◎関連リンク→ ユーピーアール株式会社
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