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労務管理
賃金固定の難しさか 資金繰り悪化で破綻
2019年4月17日
地元の運送会社が昨年末で事業を停止し、近く自己破産を申請する見通しとなった。トラックドライバーの賃金体系としては少数派となる固定給制を敷いてきたが、数年前からは基本給プラス歩合への変更も検討。しかし、「ドライバーから賛同を得られなかったので断念した」と当時、複雑な思いを明かした社長の表情が印象に残っている。
資金繰りに行き詰まった同社とは事情が異なるが、一昨年、「ワシはもうやめる」と言い残して潔くトラック運送を自主廃業してしまった経営者(71歳=当時)の記憶がよみがえった。同氏も前出の社長と同じく、「生活の安定が基本」と最後まで固定給を貫いた一人。「コキ使うことになるが、それに見合うだけの給料は払う」という面接時の約束通り、周辺の同業者より3~4割ほど賃金が高い印象だったが、時短の流れが厳しくなるなかで「これまでのように稼がせてやれないならワシの役目は終わり」とピリオドを打った。
固定給制を採った両社だが、違ったのは前者の扱う荷物が年間を通して輸送量に大きな変動があったのに対し、後者の場合は豊富な荷物が安定して存在した点。それが自己破産と自主廃業に分けた要素かもしれないが、両社を知る同業者からは「固定給は絶対にダメ。途中で変えようにも、生活が不安定になる歩合をドライバーが受け入れるわけがない」「時短や休日を増やさなければいけない現状を考えると、むしろオール歩合で計算したいのが本音」という声が聞かれた。
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固定給は無理でしょう。荷主固定のルート配送でも難しいと思います。運送業界だけの労基法があれば良いのにと思います。
たしかに。430も一般人からしたら4時間もぶっ通しで運転なんて信じられないってなるが、こちらからすると4時間で止められる方がよっぽどしんどい。