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人材確保にSNS 企業PRにも有効
2017年9月8日
運送業界は深刻な人材不足に陥っており、多額な費用を投じて人材確保に努める運送会社も多い。さらに運送会社では、採用担当者を置くことも少なく、すべて経営者や役員が兼任することが多いようだ。こんな中で、SNS(ソーシャルネットワークシステム)を活用しての人材確保・企業PRに努める運送会社も増えている。SNSの中でも特にFacebookは日本だけでも2700万人(2016年12月発表)が利用し、世界各国でも多くの人々や企業も利用しており、事業戦略や企業PRに大いに役立っているようだ。こういったSNSを活用した運送会社も多く、その効果について話を聞いた。
大阪府堺市に本社を構え、大阪南港や関東に営業所を抱える泉北商運(小谷憲作社長)では、数年前からFacebookを活用し、毎日のように車両の導入や仕事の状況、福利厚生などを更新している。同社のFacebookの管理・更新を行っている小谷英史副社長(SSコーポレーション社長)は「現在、当社のFacebookには約2500人のフォロワーがおり、人材確保をはじめ事業へのPRにも役立っている。特にドライバー確保に関しては現在、一定の勤続年数や、当社での貢献度などからドライバーに対してスカニア社製のトラクタ・トラックを提供している。新車が入るたびに、洗車や輸送終了後にドライバーの協力も得て掲載している。こうした毎日の小さな活動で、車両掲載などを行った時には、かなりの反響が得られ、中には『スカニアの車両に乗務したい』『同社に勤めたい』などの返事や問い合わせがあり、Facebookをきっかけに入社に至ることも多くなってきている」と人材確保にも役立っているようだ。さらに小谷副社長は「仕事で取引は発生していないものの、北海道の運送会社から関西などへの配送の案件も存在している。今後、企業を訪れて、お互いの条件が折り合えば、取引にもつなげたいと思っている。さらに最大のメリットは、運送会社以外の企業関係者とのつながりができること。新たな分野への進出につながる案件などもあり、SNSで大きな広がりが出来ている」と説明した。
また、2年前からFacebookを利用している大阪府和泉市の太伸興業(半田智宏社長)では、自社講習会や親睦会をはじめ新車の導入などでFacebookに掲載しているといい、同社の小田井角栄部長が同システムの更新・管理を担当している。
小田井部長は「Facebookでは、今のところ直接的な効果は出ていないが、当社の車両を見て『とてもきれいな車両なので興味を持って面接に来た』と言う人も増えている。ただ、Facebookはあくまでも当社の活動を知ってもらうアイテムの一つと考えている。実際に勤めて想像していたのと違うと思われ、継続して働いてもらえなければ何の意味もない。表面だけを見て入社したとしても、ドライバーの出入りが激しいだけで定着しない。そういった意味では、あまりFacebookで誇大広告にならないように意識して管理・更新を行っている。友達申請に関しても、当社から行うことは一切しておらず、同社に興味を持っていただいた方からの申請を待つ状態」と説明している。
このほかにも、同堺市の左近商店(二ノ井弘之社長)では、新車の導入や会社での親睦会、取り組みでFacebookを活用して紹介している。
また、大阪市の扇町運送(成田暢行社長)では、社内の親睦会や新入社員入社式など様々な会社の取り組みが紹介されている。各社とも何らかの形でSNSを活用して企業PRを行っており、今後、こうしたSNSをいかに活用するかで、事業拡大に大いに影響していくのかもしれない。
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