ある社長の会社は、今月中に金融機関から融資を受けられなければ来月の支払いができず、倒産してしまいます。先日も別の金融機関で融資を申し込んだのですが、直前になって「３か月前にもこちらで融資をした。間隔が短すぎる」として受けられませんでした。

　融資の際の問題点は、会社の借入金残高が毎月の売り上げの３倍に達していることです。金融機関は会社が倒産分岐点の一歩手前まで来ている、と判断しているようです。ところが、社長が「もうだめだ」と諦めかけた頃、融資申し込み金額を減額して融資を実行してくれました。

　これで借入残高は毎月の売り上げの４倍にまで達しました。しかしながら、この融資額では来月の支払いには足りません。

　そこで社長は、同業者ですが別の会社を経営している父親に、「父の会社名で金融機関から融資を受けて、そのお金を自分に貸してほしい」とお願いしました。最初、父親は「大ばか者！」と怒鳴りましたが、息子の危機を放って置くわけにはいかず、金融機関から融資を受けて息子に貸すことにしました。

　一安心の社長ですが、「これで何とか支払いできるが、こんなにも借金が増えて、これから返済していけるのだろうか」と頭を抱え込んでいます。