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    ドラレコが窮地救う 助成制度で普及に弾み

    2011年6月22日

     
     
     

    truck4_0620.jpg 「交通事故で過失割合を争う場合、ドライブレコーダーの効果は大きい。都合が悪ければデータを出す必要はないわけで、要は使い方」と話すトラック関係者は多い。現場のドライバーにとっては四六時中、「監視装置で見張られているような感じ」との声も根強いようだが、損保の免責金をドライバーが負担する仕組みの運送会社では歓迎される傾向にあるという。ドラレコ導入を支援する助成制度の広がりも普及に弾みをつけており、ある地方では「ト協の補助金を使うことで実質的にタダになった」という例もある。



     雑貨の長距離運行を手掛ける広島県の運送会社。社長によれば「事故の責任だけでなく、リミッター解除の疑いまでかけられた」と当時を振り返る。

     最高時速が80キロの高速道路の緩やかな下りカーブで発生した事故は、同業他社の4?車に同社の大型トラックが追突。衝撃の大きさから当時、「大型トラック側に大幅なスピード違反があった」と判断されたことで、装着義務のある「リミッターの解除か」とまで疑われたが、ドラレコが窮地を救った。

     「4トン車のドライバーが体調不良による意識モウロウの状態にあり、高速道路の最低速度(時速50キロ)を下回るスピードで走っていたこともドラレコのデータでわかった」と社長。トラックを大破させた衝撃が、リミッター解除による大型車の暴走運転ではなかったことが証明された。

    冷凍車による食品輸送をメーンに手掛ける同県の別の事業者も過日、乗用車の無謀運転が引き金となった多重衝突事故に巻き込まれた。前出の事業者と同じく、事故の舞台は高速道路だった。

     「走行車線を走っていたウチの大型車と、直前の大型バスの2台を右側から猛スピードで乗用車が追い越し、その直後に走行車線へ戻ったかと思うと、そこが目的の出口だったようで急ブレーキ。驚いてブレーキをかけた大型バスにウチのトラックが追突するとともに、後方からも車両に追突されるというサンドイッチの状態となった」と社長。ドラレコは当時の様子を鮮明に記録しており、「乗用車のナンバーも映っていたから、最低限の損害で済んだ」という。

     ドラレコに救われた例は数え切れないが、安全・環境対策機器への投資が膨らむトラック業界だけに、採用を見合わせる事業者が少なくないのも事実だ。とはいえ、地方ト協のなかには関連の補助金を手厚く支給し、全国的には対象機種になっていない製品までサポートする例が見られ、事業者レベルでの情報収集が不可欠。

     長距離便での活用を優先する一方、これまで地場輸送のトラックにはドラレコを取り付けていなかった岡山県の運送会社。「全国レベルの補助金対象から外れたことでメーカー側も焦ったのか、それまでの半値ほどで話を持ち掛けられたが、その金額なら補助金を使えばタダで手に入る計算だった」と社長。導入して間もなく、前方をフラフラと走りながら急停止した4トン車に同社の大型トラックが追突する事故が起きたが、証拠映像を差し出すことで「100ゼロ」から「7対3」へと現在、過失割合を巡って争っているという。

     また、「1台が実質的に1万円くらいだった」と話す兵庫県の運送会社もある。鉄鋼・機械などを扱う同社は、メーカーの販促キャンペーンで格安に、さらに補助金も活用することで「実質1万円」でドラレコを手に入れた。「採用して間もなく、ハンドル操作を誤って横向きになった大型トラックが高速道路の2車線をふさぎ、ウチのトラックは追突を回避したものの、さらに後続の軽自動車の女性がウチのトラックに衝突。すべての様子が記録されていたが、横向きになったトラックの会社が『すべて当社が弁償する』という姿勢だったため、映像を出すまでもなかった」と話している。(長尾和仁)

     
     
     
     
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