近畿の労務・経営コンサルタントによると、ある運送会社の経営者が精神的な病状で自殺を図り、公共の乗り物に飛び込もうとして停止させ損害を発生させたという。また、別の運送会社経営陣が暴力団と共謀し窃盗事件を起こすなど、不景気による事件、犯罪が発生していると語る。

　同コンサルタントは経営者から相談などを受ける機会も多く、現在の運送業界について「景気の低迷が大きな負担となり、ちょっとしたことで犯罪や事件を起こすケースにつながっているのではないか」と指摘。昨年には実入りコンテナを専門に狙った窃盗事件が発生したが、犯人は業界関係者と見られるという。

　大阪府堺市の運送事業者も「犯罪こそ起きていないものの、ドライバーと管理職が対立し、ドライバーが仕事をより好みし、管理職の意見を聞かない者もおり、正常とは言えない経営状態にある。ドライバーも管理職も、不透明な景気動向で精神的に苛立ちがあるのかもしれない」と話す。（佐藤弘行）