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ドラレコ映像が過失ゼロを証明 乗用車の無謀運転を記録
2013年6月5日
ドライバーは会社を出れば、どんな行動をし、どんな状態でいるのか経営者には全く見えない。事故を起こした場合、ドライバーの不注意でなくても、トラックというだけで事故割合が大きいため、どうしてもドライバーが不利となる。しかし、事故の中には相手側の過失割合の大きい事故もあることが、ドライブレコーダーの普及で理解されるようになった。
大阪府岸和田市に本社を構える運送会社では、ドラレコの映像から積載荷物の落下原因が判明した。普通乗用車が指示器もなしに突然割り込み、すぐに左折するという予知できない行動をしたため急ブレーキをかけた。その勢いでラッシングが外れ、荷物が前方に落下した(既報)。ドラレコが事故の一部始終を記録していたことで、事故原因は乗用車の無謀な運転によるものとして現在、警察に届け出ている。また、並走していた乗用車が大阪府堺市の運送会社のトレーラと接触。通常は、目撃者がいても鮮明な映像がなければドライバーは人身事故で免許停止になるところだったが、トレーラに搭載していたドラレコが、事故原因は乗用車によるトレーラ側面への衝突によるものと証明した。7対3の過失割合が最終的には10対ゼロとなり、ドライバーは免許停止とならずに済んだ。
2車線の国道でトレーラの前方にいた乗用車が、方向指示器を出して左側の車線へ移った。しかし、方向指示器もないまま、いきなりトレーラが走行する車線側に寄りはじめ、トレーラヘッドの左側に接触。その弾みでトレーラの前方でスピンし、逆方向を向いたまま中央分離帯で停止した。
事故当時、保険会社側は7対3でトレーラにも過失が3割ある人身事故として取り扱っていた。しかし、トレーラの運送会社社長がドラレコの映像を確認したところ、乗用車がトレーラヘッドの左側に寄りかかる形で接触している様子が記録されていた。保険会社とともに警察署に訴えたが取り合ってもらえず、相手側の保険会社に連絡し、担当者にドラレコの映像を提出した。その後、保険会社と協議を繰り返し、警察にもトレーラのドライバーには過失がないことを訴え続けた。そして、事故から半年後の5月、トレーラ側の過失はゼロと相手側保険会社が認めたのだ。
同社社長は「ドラレコにはドライバーに過失はないという証拠が記録されていたため、最後まで争うことができた。今までは、事故を起こせば相手側が悪くても大きな車両の過失が大きくなっていたが、ドラレコの普及で少しでも公平に事故の過失が証明されることは大変いいことである」と語った。(佐藤弘行)
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