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    全ト協が新規参入許可の厳格化要請へ 5台割れ事業者にも

    2014年4月18日

     
     
     

     全ト協(星野良三会長)は4月16日、記者会見を開き、国交大臣、自民党および公明党のトラック議連に対し「トラック運送事業の新規許可手続要件の見直し等に関する要望書」を提出することを明らかにした。



     平成2年の規制緩和によって4万社だったトラック運送事業者は一気に6万3000社に膨れ上がった。保有車両台数も5台以上に引き下げられた結果、10台未満の事業者が全体の約6割を占め、20台未満では8割となる中小・零細企業集団となってしまった。全ト協では、こうした環境が「荷受けの多重構造の素因になっている」とし、新規参入事業者への許可の厳格化を求めている。

     現在は、事業を開始してからの事後届けのため、保有台数も必要施設も申請通りかどうかのチェックをせずに受け付けてしまう状況を問題視し、事前届けへの変更とともに確実な現地確認を要求。法令試験についても合格基準の引き上げや試験中の資料閲覧を禁止し、安全確保の徹底を図るよう求めている。さらに、新規許可時の保有車両に関しても車庫の場所に係らず、最新環境基準適合車に限定すること、リース契約は解除しやすいことから自己保有の義務化を求める。これに関連し、現状の業界内の5台割れ事業者に対しても厳格化を求めていく。

     全ト協は、「一定以上の事業者規模をもって管理体制をきちんと整えなくては、事故防止は進まない」との考えを示した。さらに利用運送事業についても無理な運送依頼が事故を招く状況があるとして、実運送事業者と同様に選任の運行管理者設置を義務付け、所管も自動車局に移して行政処分なども実運送と同等とすることを要望している。

     また、運行管理者のあり方については、全ト協が昨年5月から「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」を立ち上げ、同12月に「報告書」をまとめている。「安全に対し高い意識を持っている運行管理者でも業務が多岐にわたり、多忙を極めている現状が安全面管理を危うくしている」として、事業者トップに責任範囲を広げたり、業務量の軽減、社内での地位向上など業務環境の改善を提言していく。さらに運行管理者同士の情報交換の場として運行管理者協会(仮称)の設置と表彰制度の創設も考案。点呼作業に関しても無駄な記録作業を除き、効率化しながらも健康面のチェックとしてガイドラインを作るなど、本来の安全面を重視した管理体制を整えることを目的とした作業整理も提案する。これらを近日中に国交省等に要望し、実現に向け働きかけていく方針。

     
     
     
     
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