運送事業では珍しいＩＳО２７００１情報セキュリティマネジメントを取得しているのは、水島運輸（水嶋健社長、大阪府枚方市）。２００９年に取得して以来、２年ごとに更新をしている。
　取得したきっかけは、水嶋社長が参加したセミナーで、キヤノンの物流担当者が「参加者で情報セキュリティマネジメントを取得している企業はどれくらいか」と尋ねたが、取得企業は１社もなかった。その後、講師は情報セキュリティーの重要性を語り、同社長は輸送の中でも同マネジメントは必要と考えた。

　取得後は、荷主企業の情報やプライバシーの保護に努めた。２か月に一度、事務所をはじめ、倉庫やドライバーをチェックする。環境チェック委員会が、現場の整理整頓やドライバーの服装、情報セキュリティの状況など１７項目をチェック。１項目１０点満点で採点し、意識向上に役立てている。
　また、改善テーマを１人１件提出し、棚の設置や保管のためのシール貼り付けなど社員が進んで行う。また、社員間のコミュニケーションを図るために「サンクスカード」を作成する。感謝の言葉をカードに書き込んで伝えるなど、社内全体でコミュニケーション意識の向上を図っている。
　水嶋社長は「同マネジメントを取得したことで、常に全社員の意識が向上している。ＩＳОを継続更新していくという目的が、いろんなところに波及している。今後は事業にも役立てていきたい」と話した。
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