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製品・IT
インターネットFAXで通信コストを大幅削減
2011年2月10日
長引く荷動きの低迷で燃費向上をはじめとするコスト削減に注力する運送事業者は多いが、 意外と経費がかかっているオフィスでのコスト抑制に目を向ける経営者は少ない。荷主や協力会社との配車のやりとりにかかる電話やFAXの通信費は必要経費と考え、手をつけていない運送事業者が大半だが、最近にわかに話題になっているのが「インターネットFAX」だ。
代表的なサービスとして、NTTコミュニケーションズの「050グリーンFAX」が既存のFAXにかかる費用を大幅に抑えられるサービスとして、先進的な企業で導入が始まっている。電話とFAXが欠かせない運送事業に大きなインパクトを与える新世代のFAXについて調べた。
「050グリーンFAX」は、専用の「050IP電話番号」を使い、パソコン上でFAXを送受信できるサービス。ランニングコストは格安で、月額利用料は1050円。インターネットにつながるパソコンがあれば、すぐに利用を始められる。FAX用の電話回線は不要で、もちろんFAX機器も使用しない。導入に伴い、相手先に余計な依頼や手間を掛ける必要はなく、従来通りFAXしてもらうだけ。
FAXやパソコンに保存されたWord、Excel、PowerPoint、PDFなどの日常的に利用頻度の高い電子ファイルをそのままFAXとして送信することもできる。従来のFAXのように受信したものをすべて紙で出力することがなく、送信のために原稿を印刷することも不要になるため、用紙やインク代などのコストを大幅に削減できる。
インターネットFAXというと難しい印象を抱くかもしれないが、メール感覚でFAXを簡単に送受信できるのが最大の特徴だ。
通信コストは一般加入電話への送信の場合、全国一律で3分8.4円。FAXの送信にはコストがかかっており、例えば、横浜ー大阪は84.0円/3分、東京ー横浜では31.5円/3分かかる。3分は用紙4枚の送信にかかる時間だ。「050グリーンFAX」では、それが8.4円になる。ロケーションに縛られず、北海道と沖縄でのやりとりであっても、同額でFAXできるのが強みだ。
物流業界では、全国各地の傭車先とのFAXでのやりとりもかなりのコストが発生しているが、同サービスを活用すれば自社だけでなく、送受信先もコスト削減が可能。荷主への提案時に、「通信コストの削減」として盛り込むこともできる。
月24日稼働で1日13件送信(月間で約300件)する場合、かかるコストは一般加入電話ではFAX通信料が7192.5円(区域内外への発信)、プリント費用が約7500円、加入電話利用料が2625円で計1万7317.5円。
これを「050グリーンFAX」にすると、FAX通信料2520円、月額利用料1050円の3570円で済み、なんと月額で約80%ものコストカットとなる(約1万4000円)。
小規模のオフィスでも月額1万円は抑制できる可能性が高いが、低く見積もっても年間で10万円の削減は、運送事業の利益率を考えれば1000万円相当の売り上げに匹敵する。知る人ぞ知るコスト削減術と言える。
特に難しい作業や設定が必要なく、これまで通りの作業手順で運用できることも大きい。言うなれば、FAX機器から紙が出てくるのか、メールに送られてくるのかの違いだけ。ユーザーに話を聞くと、『使ってみると想像以上に便利。なぜ、これまで知らなかったのか』と不思議がられることも多いという。
なお、車番やドライバーの連絡先など、手書きの用紙を送りたい場合は、パソコンとつながったコピー機やスキャナーで用紙を取り込めば容易に送信できる。また、デジカメで撮影して画像を送れば、より手間がかからない。
同サービスは電話回線が不要なため、番号の追加も簡単。1回線ごとにかかる1050円の月額利用料だけで、営業所ごとや荷主別に番号を設定できる。これまで営業所ごとに置いていたFAX機器も不要になり、本社で一括して管理することが可能。荷主ごとに専用のFAX番号を設定することで、受注ミスも減らすことができる。
社長自身がハンドルを握っている事業者や軽貨物事業者では、「車内がオフィス」というケースも多いが、FAXを受信したことをメールで確認できる同サービスを活用すれば配送依頼への迅速な対応が可能になり、機会損失を防げる。自宅に置いているFAX機を家族にチェックしてもらう必要もなくなる。
現在、初期費用(1050円)と2か月分の月額利用料(2100円)が無料となるお試しキャンペーンを展開中。(2011年3月31日申込み分まで)。
◎関連リンク→ http://www.ntt.com/bizit/camp/050fax/ -
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