「大手運送会社から独立する新規事業者がムチャクチャしている」と話すのは、滋賀県内の運送事業者。「４０歳ぐらいで退職して、運送会社を起ち上げる。この会社が業界のモラルを壊している」と指摘する。

　「いくら考えても１０万円でトントンの仕事を半値で受ける。トラック１台１０００万円のところを１２００万円で買う。軽油もリッター１００円を１０５円で…といった感じ。もちろん、販売業者に強く言えない会社もあるんだろうが、それだけではない会社も多い。昔の免許時代には考えられなかった話だ」と話す同事業者。

　「素人に毛が生えたような人間が、運送会社を始めるからこういったことになる。いくら大手に勤めていたとはいえ、ドライバーと経営者とは違う。安易に考えすぎているのではないか」という。

　「ムチャクチャになってしまった運送業界を見ていると、愛想が尽きかけている」と同事業者。「廃業も考えている。借金もないしね。しかし、少ないとはいえドライバーもいるし、その家族のことを考えると…やれるところまでは、いくしかないのかも」と同事業者はあきらめ顔だ。（小西克弥）