バブルの時代に大儲けした会社があります。税務署が来て交際費について質問されたらどうしよう、と言うくらい儲かりました。

　しかし近年は、利益率の低い仕事ばかりで、赤字決算を黒字に変えるのに苦労しています。金融機関対策で毎年、ほんのわずかではありますが決算で利益を出している会社です。

　社長が細かい仕掛り途中の仕事を拾い上げたり、受注したばかりの仕事で何か月も先に売り上げを請求をするものも、未収金として売り上げに計上したり、必死で利益を出して黒字決算にしています。そしてこの会社は、仕事が減って売り上げが減少すると従業員を休ませることになり、これを理由に国から結構な額の補助金をもらっています。一度、役所が調べに来たのですが、問題なく調査は終わりました。この補助金も黒字決算の大きな原因となっています。社長は不正な支給ではないかと調べられるのは、悪いことをしていないので心配していません。

　それより心配なのは、金融機関からすれば、これだけ大きな補助金をもらっている会社に融資するのは問題ではないかと思われることです。「この雑収入の補助金は何ですか？」と質問されたらどうしようか、と心配で夜も眠れないそうです。

　今月も資金繰りでお金が足りないので、融資を申し込む決断しました。この補助金を雑収入から切り換えて、粉飾決算をして融資を申し込むことにしました。融資の結果はうまくいきましたが、社長はバレないかとヒヤヒヤものだったと言います。