皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構（ＪＡＰＰＡ）理事長の上西一美です。先日、あるイベントでこんな質問を頂きました。「事故が多い会社と少ない会社の違いは？」

実はよく受ける質問の一つです。事故が少ない会社は同じ業務をしていても少ないですし、私はディクリエイトという会社の代表をしておりますが、弊社のクライアント様でも、同じ業務にも関わらず事故が激減する会社が多くあります。

その違い、その変化は何なのか？　もちろん単純なものではなく、複雑な要素の組み合わせなので、実際に関与していない企業様のことまで私には分かりません。しかし、共通点を出せと言われたら、まず挙げていくと思うことは「段取り力」です。段取りが悪い企業は事故が多い、これは言い切れます。

例えば、急な配車変更がその典型ではないでしょうか？　もちろん、私も現場で運行管理をしておりましたので、「急な配車変更はあるもの」ということは分かっています。ただ、「１秒でも早く運転者に伝える」ことは絶対にやるべきですし、さらに、レベルの高い管理者であれば、その配車変更を予測した配車をする、もしくは、配車変更がある可能性をあらかじめ伝えておく、これも段取りだと思います。

運転者は、事前に変更の可能性があることを聞いているのと突然言われるのとでは全く違いますし、変更に対して心づもりができます。

人は急な環境変化で、しかもそれが想定外であればあるほど、ヒューマンエラーを起こすものです。私たち管理者側は、できるだけそのような急な環境変化を作らない努力をし続けるべきで、それが事故につながる可能性を少しでも下げ、その積み重ねが、「事故が少ない」につながるのだと思います。

ぜひ、皆さんの仕事の中でも「段取り」を意識して頂き、不幸な事故が起きる環境を少しでも減少させて下さい。

◎関連リンク→　一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/