【奈良】ベストライン（五條市）はこのほど、株式会社に改組するとともに、本社営業所を移転した。車両置き場を併設した約１０００坪の敷地に移ったことについて辰己千里社長は、「会社設立から、ちょうど１０年目の節目を迎えるにあたり、さらに５年後、１０年後の会社をイメージし、決断した。自分だけでなく会社にとっても大きなチャレンジ」と語る。
　「地域ナンバーワンの運送会社を目指す」という目標を掲げ、事業展開している同社。辰己社長は「今年は従業員満足を高めていきたい」という。「働いている者やその家族が満足していない会社で、良いサービスを顧客に提供できるわけがない」という思いからだ。今回の移転に際しても、「従業員が使う施設なら、もっとコストを抑える方法がある」という施工業者のアドバイスに「できるだけ快適な環境を」と譲らなかったという。

　「この地域では減車傾向がまだまだ強いが、あえて増車を目指していく。幸いにも、ドライバーの採用ではそれほど困っていない。企業としての社会貢献は雇用を生み出すこと。地域への恩返しもしていきたい」
　「これまで業界内外の友人や協力会社の皆さんに支えられてここまで来られた」という思いから、あえて２月２５日の「友引」を営業開始日に選んだ。新社屋の施工に関しても建設会社に丸投げするのではなく、「地域の友人や先輩・後輩などに直接お願いし、自分が納得するものを一から作ってもらった」。大雪の影響で工事が遅れたため、「最後は、かなり無理をお願いした。どちらが依頼主か分からないくらい、頭を下げて頼んだ」と笑う。
　「フェイスブックでのつながりなど、全国の優れた経営者と情報を共有できるようになり、いろいろと学ばせてもらっている。縁を大切にし、これからも仲間とともに頑張っていきたい」
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