-
物流ニュース
「置き配」普及推進へ ルールの周知徹底
2024年10月14日New!!
1997年にファンケル(島田和幸社長、横浜市中区)が、ネット通販事業者の先駆けとして始めた置き配サービス。今では宅配大手3社も置き配の利用が可能となった。2019年から実施しているナスタ(笹川順平社長、東京都港区)の「置き配に関する実態調査」によると、「置き配」利用率は2023年が67%で、毎年増え続けている。
今後、さらなる利用拡大を図っていくためには、盗難や紛失などのトラブル防止はもとより、約款に基づいた置き配ルールの周知徹底が必要となる。
ドライバーの負担となっている再配達の削減が期待されている「置き配」だが、利用者に盗難や紛失といったトラブルへの不安が強く、普及拡大の妨げになっていた。
こうした盗難や紛失以外にも、宅配ドライバーの指示無視や置き配ルールが周知されていないことが原因でクレームやトラブルなども生じている。
これについて、関東で宅配事業を展開している軽貨物運送会社の社長は、「当社では、荷物のお届け先の置き場の環境が、どのような状況であっても配送指示に従う」と説明する。
「最近の通販サイトでは、利用者が何も指定しなければ玄関前等への置き配が自動的に選ばれるケースが増えており、その場合はドライバーへも同様の指示が送られる」という。
玄関前への置き配の指定であれば、仮に宅配ボックスが玄関のそばにあったとしても、通販サイトで利用者が選択した指示どおり、指定された玄関前に置くというわけだ。
同社では、荷物の送り先の環境や届けた日の状況に合わせて、ドライバーが判断して柔軟に対応することをNGとしている。その理由について、同社社長は「クレームの原因になる可能性があるから」と説明。「例えば、温度管理がなされない宅配ボックスであれば、そのなかに荷物を置くことで商品の状態が変化する場合がある。荷受人がそうなることを恐れて玄関前を指定している場合もあるということを考えれば、勝手な判断はできない」。また、「荷物を指定された置き場所に置かず、勝手に宅配ボックスを利用すれば、商品を見つけてもらえない可能性も生じる。こうしたクレームにつながる可能性をなくすために、当社ではドライバーに配送指示通りに動いてもらっている」とも。
委託ドライバー100人を抱え、宅配をメインに軽貨物事業を行っているエアフォルク(井上貴夫社長、千葉県松戸市)では、基本的に置き配の場合、指定された場所以外に荷物を置くことはなく、どうしても変更が必要な時は荷受人に電話確認を行っているという。井上社長は「再配達になるとしても、荷受人の指示がない限り、置き配はNGとドライバーには指示している」と話している。
また、同じく委託ドライバーを100人抱えて宅配や医薬品配送を行っているオピニオン(東京都町田市)の多田実会長は、「標準宅配便運送約款の第十二条(荷受人等が不在の場合の措置)には、荷受人が不在の場合、荷受人に対し、荷物の引き渡しに必要な事項を記載した書面で通知したうえで、荷物を保管すると定めている」とし、「これに従って、荷受人が置き配を指定していない限りは、基本的には持ち帰っている」という。
「約款に基づいた宅配ルールを守らなければ、荷受人に迷惑をかけることになり、宅配業者も責任が取れない事態になりかねない。クレームやトラブルを起こさないためにも、ドライバーはもとより荷受人も関係するすべての人が置き配ルールを理解して守る必要がある」と話した。
この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ
置き配の盗難等のトラブルは、すべて利用者(荷受け人)の責任にすればよい。
ドライバーには、一切の責任はないようにすべき。