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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(109)経営活性化シリーズ58
2016年5月13日
(58)足元を固める– 原単位データの把握に徹する ?修繕費編?
運送業にとって?入るをはかって出ずるを制す?で、コスト削減をすることは経営の生命線である。漠然と数字をとらえてはならない。原単位(走行1??当たり、1日当たり)でとらえることである。今回は修繕費について取り上げる。コスト削減の取り組み強化は、運送業の足元を固めることである。運送業の経営にとって、意欲さえあれば把握できるのが原単位データである。管理者のやる気があればすぐに実施できる。会計情報と稼働実績情報に基づき、まずはこれらのデータを把握することから始まる。燃費や道路使用料、修繕費やタイヤチューブ費用などのテーマは改善に取り組みやすい。
?修繕費の把握編
部品や修繕費の管理は、運送業経営にとって不可欠の重要な要素である。この修繕費の部分は他の費用と異なり、欠けないように努力すれば良いというものではない。無理に修繕費を抑えたために大きな故障につながってしまったり、時にはエンジンを駄目にしてしまう場合もある。
比較表のB車両のように計画的に点検整備を行っていれば、年々修繕費は上がっていくのが緩やかになっている。一方、ほとんど点検や整備を行わず、故障した時だけ修繕するやり方の場合は、A車両のように最初の1?2年目までは、ほとんど修繕費が発生しないが、3年目頃から急に大きな修繕費用が必要になってくる。通算するとA車両はB車両の何倍も修繕費をかけたことになり、しかも5年ほどで廃車のやむなきに至っては大変な損失になってしまう。
このように修繕費管理のポイントは、計画的な点検整備や事前の修繕が決め手となってくる。運行前点検などの点検箇所チェックノートをドライバーがチェックするのが一般的だが、ただ単にチェックするだけになっていないだろうか。形式的にやらないといけないからチェックする、というふうになっていないか。管理者自らがドライバーの先頭に立ち、整備点検の必要性を説いていくことが大切である。こうした取り組みの積み重ねが、運送業の経営改善を成し遂げる原動力になっていくのである。運送業の経営においては、何事も継続することが難しいとされているが、経営者や管理者側が意識変革して取り組んでいくことである。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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