コンプライアンス経営の一環として、認定・認証を受ける企業が増えています。認定・認証の取得では、社内体制や仕組みなどの基準があり、これを取得することにで客観的な評価を得られるのです。

　トラック運送事業者に関わりのある認定・認証には、例えばＧマーク認定、グリーン経営認証、エコアクション２１、プライバシーマーク、ＩＳＯといったものがあります。特にＧマーク認定は、安全・安心・信頼の証しとされており、大手荷主では、トラック運送業者がＧマーク認定を受けているかどうかを重視する傾向が強まっています。
　Ｇマークとは、荷主がより安全性の高いトラック運送事業者を選びやすくするために、全国貨物自動車運送適正化事業実施機関（全ト協）が認定した「安全性優良事業所」に交付されるシンボルマークです。認定を受ける事業所は年々増加しており、平成２４年３月末現在、全国で１万７１１５事業所（全事業所の２０.４％）が認定を受けています。
　認定を受けるための要件は次の通りです。
　１・評価項目（１）～（３）（１００点満点）の評価点数の合計点が８０点以上かつ各評価項目において基準点数（カッコ内の点数）以上あること
　（１）安全性に対する法令の順守状況（３２点）（２）事故や違反の状況（２１点）（３）安全性に対する取り組みの積極性（１２点）
　２・法に基づく認可申請、届け出、報告事項が適正になされていること
　３・社会保険などの加入が適正になされていること
　認定の申請に費用はかからず、事業開始後３年を経過していることなどの申請資格要件を満たしていれば、どの事業所でも申請できます。
　認定を受けた事業所には、違反点数の消去、ＩＴ点呼の導入、点呼の優遇、補助条件の緩和といったインセンティブが付与されます。また、一部の損保会社では、保険料の割引を行っているところもあります。これらは認定を受けるメリットと言えますが、最大のメリットは、外部にコンプライアンス経営をアピールできることです。
　まだ認定を受けていないトラック運送事業者様は、次回（平成２５年度）での申請をご検討されてみてはいかがでしょうか。
（大野裕次郎・名南コンサルティングネットワーク　http://www.meinan.net/）