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  • ブログ・鈴木 邦成

    第114回:ドイツポストの躍進と日本の選択

    2007年1月14日

     
     
     

     ドイツポストがオランダの郵便企業「メールマージ社」の経営権を取得した。その結果、ドイツポストは、すでに傘下に収めているDHLや「セレクト・メール・オランダ」などの宅配便・郵便ネットワークにより、オランダ最大の郵便サービス企業となった。着々と世界制覇へのタイムテーブルを進めつつあるようにも見える。
     ドイツポストとメールマージ社は2年前からすでに提携関係にあった。「メールマージ社」はビジネス用郵便と私書箱郵便サービスをオランダで事業展開している。年間計4000万通の郵便を扱っている。オランダの旧国営郵便事業体TNTポストグループ(TPG)は欧州大陸2位の国際物流企業に成長している。そのTPGの「お膝元」へドイツポストが攻勢をかけたわけである。


     ドイツポストの世界戦略を推進したのは経営の最高責任者、クラウス・ツムウィンケル博士だ。同氏の経歴は郵政のトップとしては少々、異色でもある。
     1943年、ドイツのラインベルグ生まれ。ミュンスター大学で博士号。さらにウォートン経営大学院でMBA(経営学修士)を取得。世界的なコンサルティング会社マッキンゼーのシニアマネジャー、さらにはドイツ通販大手クエレの会長として経営手腕を発揮した。そしてそこでの実績が買われ、ドイツポストの経営の最高責任者となったのである。
     日本の場合も「民営郵政」を日本経済再生の推進力にするためには、ドイツポストに優るとも劣らぬユニークな人材の積極的な登用が必要なのは言うまでもないだろう。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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