皆さん、こんにちは！　ＪＡＰＰＡ理事長の上西一美です。

最近、セミナー会場で「この記事を見ています」と、お声がけ頂けることが多く、本当にうれしく思います。

さて、今回は昨年９月に神戸市灘区で発生したトラック暴走事故についてお話します。

この事故は六甲山の下り途中、トラックのブレーキが利かなくなり、下り坂を暴走し、数台と衝突事故を起こした後に、川へ転落し、運転者が亡くなった事故です。

私は神戸育ちで、この道をよく知っていますので、当初は、「ブレーキの踏みすぎ」が原因だと勘違いしていました。

先日、この運送会社の幹部が逮捕されたという報道を見て驚きました。運転者が出庫前にブレーキの不調を訴えていたことを無視し、出庫させた容疑ということです。

この記事を見て頂いている管理者の方は、こんなことはないと思いますが…、車の不調は事故に大きな影響を及ぼします。

交通事故は人の命に関わることで、しかもブレーキの不調はまさに最重要だと感じます。

どういう状況で出庫させたのか？　部外者である私たちからは分かりませんが、結果として、管理者として最もやってはいけない行為ではないでしょうか？

よく私たちは「大事な荷物を乗せている」と言いますが、その前に「大事な運転者の命」も乗せていることを忘れた行為は、決して許されるものではありません。

昨年のはとバスの事故も運転者の体調不良が事故の原因です（あれは運転者が黙っていたので点呼者の責任は少ないと思いますが）。体調不良や整備不良は人の命に関わるということを管理者の皆さんは絶対に忘れないでください。

こんな悲惨な事故が起きないように、点呼では少しの変化を見逃さず、何か違和感を感じたら、ぜひ運転者に聞いてやって下さい。点呼でしか私たちは運転者の状態を正確に把握できるチャンスはないのですから。

　最後に今回の運転者の方のご冥福をお祈りいたします。

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上西一美のドラレコ交通事故防止