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    「負の連鎖」解消を プロらしからぬ行為が発端

    2012年7月12日

     
     
     

     重大事故が発生し、調査段階であぶり出された違法行為によって深刻な行政処分が待ち受ける一方、それが発端となって一段と厳罰化された新しいルールが、ただでさえ守れていない現行規制にのしかかるという「負の連鎖」状態にあるのが、トラック運送事業の実態かもしれない。
     企業規模とは無関係に覆い被せられた網の目は小さくなるばかりで、小規模・零細事業者が大半の業界に漂う閉塞感は強まるばかり。ただ、行政処分を受けた運送会社やドライバーに話を聞くと、基本的なルールを無視したプロらしからぬ行為が発端になっているケースも意外に少なくない。


     「事業停止も珍しくなくなった」という状況は間違いなく異常だが、トラック事業者にとっては車両停止処分も深刻であることに違いはない。「事故を起こしたわけではなかったが、結果として100日に近い車両停止の処分を受けるハメになった」と運送会社の経営者。国道を走行中、追跡してきた白バイに検挙されたドライバーの不心得な行為は、「運転中の携帯電話の使用だった」という。
     経営者の話では、「ドライバーは『どこから出てきたのか、ミラーで気付いたときにはパトライトを回している白バイが見えた』としており、その時点では、なぜ停止を求められたのかもわからなかったらしい」と話す。
     しかし、事態は予想外の方向へ展開。「そんな権利があるのかと思うが、ドライバーからは『デジタコのデータを抜き取られた』と聞いた。遠く離れた地域の車両ナンバーだったことで過労運転を疑われたと思っている」と話すが、しばらくして監査が入った結果、同社は長期の車両停止処分を受けることになってしまった。
     こうした経緯で現実に行政処分にまで至るケースは珍しいが、高速SAや道の駅などで休憩中のドライバーに話を聞くと「よく聞く話」「本拠地へ戻らずに『出稼ぎ』をしている他県ナンバーのトラックに多いらしい」「シートベルトも同じで、白バイに止められたトラックのドライバーが酒気帯びで検挙されたという話もある」との声。
     ほかにも「歩行者妨害で捕まったドライバーが、フロントガラスや助手席の足元にある安全確認窓にウロコ状の目隠しシールを張っていたことで整備不良とされ、勤務する運送会社に監査が入ったと聞いた」と、基本ルールを無視した軽率な行為が厳しい行政処分の呼び水になっている状況も。
     一方、中央線のない町道をノロノロと走行していた高齢者が運転する軽自動車を追い越そうとした大型トラックが、抜き去る際に軽自動車のミラーに接触。「軽く当たっただけで傷もなかったが、向こうは警察を呼ぶとの一点張りだったらしい」と、当時の状況を知るドライバー仲間。事故自体は大きなトラブルにならなかったが、「ちょっと免許に問題があって…」と、運輸当局の監査が入って極めて重大な行政処分を受けている。
     全国を駆け回るドライバーの情報には「高速道路では、エリアによって違いがあるものの『車間距離の不保持』や『速度リミッターが付いていない4トン車のスピード取り締まり』を強化している気がする」というのもある。慣れからくる基本ルールの見落としでは済まされないのがプロであり、ちょっとした意識の徹底で「負の連鎖」は食い止められるはずだ。

     
     
     
     

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