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    親しき仲も「与信管理」 資金繰りは危機的

    2012年8月1日

     
     
     

     燃料価格の上昇に一服感が漂う一方で、「そんなレベルでは追いつかないほどトラック運送事業者の資金繰りは危機的だ」との声が広がっている。一部では災害特需ともいえる物量増加が見られるものの、押しなべて荷動きは一段と低迷傾向にある。
     トラック運送にとって欠かすことができない事業パートナーである燃料販社や車両ディーラー、高速道路のETC利用を支えてきた協同組合の関係者らも〝親しき仲〟の与信管理に神経を尖らせており、「下請け事業者への支払いが遅れるという話が聞こえれば、こちらも慎重にならざるを得ない」(軽油販社の営業マン)、「支払い遅延だけでなく、急激な利用減の場合もカードを引き上げる可能性がある」(高速事業の組合関係者)と反応はシビアだ。


     「支払いが遅れる事業者が目に見えて増えているわけではないが、期日変更の相談が増えているのは確か。そうした相手には販売枠を引き下げるか、保証金を上乗せしてもらうとかの対応を取らざるを得ない。時間をかけず、即座に動くように社内の意識を統一している」と燃料業界の関係者。「支払日が1日遅れただけで、朝から(催促の)電話が鳴るようになった」(広島市の運送会社)という話を裏付けている。
     また、「軽油の購入量が急に増える場合も要チェックだが、インタンク設備を持つ運送会社が周辺の同業者へ転売するケースは依然として少なくない」と別の営業マン。実際に同業者の自家スタンドで給油しているトラック事業者(岡山市)は、「値段は一般のSSで購入するより若干の安値というレベルだが、近いから給油するのに便利」と話すが、こうした行為が燃料販社にとって「与信管理先が複数に増えるリスクが生じるわけで、そうした場合は前払いを確認したうえでローリーを配車するケースも珍しくない」(営業マン)と明かす。
     一方、ETC利用でトラック事業者を支えてきた協同組合も現在、組合員の与信管理に神経を尖らせている様子。利用額に見合う保証金を徴収していない協組の場合は、貸し倒れなどの被害をモロに食らうことになるだけに慎重さも格段で、「約束の日に口座から引き落とせない例が出ている。そうした組合員には中間に振込日を設けるなど支払いスケジュールの相談に応じる一方、回収の状況を見ながらカードの利用停止を通告する方向で対応している」(異業種組合の関係者)という話もある。
     また、燃料高騰で自社トラックを地場輸送へ回す一方、長距離便は傭車対応へと切り替えるなど高速利用を抑制するケースも増えているが、ある組合の事務局幹部は「場合によっては大口多頻度割引の恩恵を受けるための条件(ETCコーポレートカード1枚当たりの月間利用額3万円)が満たせなくなる」と、経営効率化が高速利用の協組に大きなダメージとなる可能性を指摘。「1台ごとの利用額が目減りすることでスケールメリットを享受できなくなるのは一大事だが、採算が合わない長距離をバンバン走られて高速利用料ばかりが膨らむのも心配」と、胸の内は複雑なようだ。

     
     
     
     

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