「荷主の依存度を下げよう、という声を最近あまり聞かなくなった」。兵庫県内の事業者はそう話す。リーマン・ショック以降、地元の金属加工業からの受託配送の仕事が激減する憂き目にあったこの事業者。「他の事業者も同じように１社依存の体質を改めてきているのだろう」と話している。
　同事業者は、県内でも有数の老舗。地元との結びつきの強さを武器に高度成長期に１００台近くにまで成長。しかし、国内のバブル崩壊、その後の低成長時期を経て台数を３０台強にまで減らしてきた。金属加工業からの受託激減時にも１０台程度減車している。

　社長は、「このあたりはウチのような老舗が多く、それなりに浮沈を経験している。１社依存からの脱却もさることながら、できるだけ『運送』そのものの仕事から脱却しようとしている」と話している。