関西発関東行きの運賃が上昇傾向にあるという声を聞くようになった。燃料高やコンプライアンス面で、長距離運行を敬遠する運送事業者が増えているのが要因のようだが、「運賃上昇は一時的なもの」と冷静に見る事業者も少なくない。

　大阪の運送会社も関東行きの長距離便を走らせているが、「今年の夏頃から運賃が上がってきている」と話す。社長によると、燃料高騰が続く中、自社便を走らせず、関東からの帰りトラックを使おうとするが、関東の運送事業者も長距離運行をせず、地場配送にシフトしており、関東からのトラックが来ていないという。

　関東へ走るトラックが不足しているため荷主に対しては強気に値段交渉できているようだ。「片道５０００円以上上がっている」と話しているが、「関越道の事故以来、労働時間について行政がうるさくなっており、一層、長距離運行が難しくなってくるのでは」と話す社長。

　しかし、別の運送会社社長は「中間決算などで忙しく、一時的に上昇しているだけ。ほとぼりが冷めたら元に戻る」と冷静に話していた。