「神奈川から佐賀まで50万円」――。年度末と消費税前など物流需要が高まった３月中旬から下旬にかけ、条件によっては一般のトラックでも、こんな運賃提示がなされた。

　利用運送にも力を入れる近畿圏内の事業者。神戸市にある営業所長Ａ氏は、「九州方面の車を押さえる地元準大手事業者が提示した」として、先の「50万円」を例に出した。トラックを押さえる動きは昨年末ごろから各地の事業者間で動きが加速していた。Ａ氏は、「ここぞとばかりに、こんな無茶苦茶な提示をするのはどうか」としながらも、「４月からは高速料金も実質値上げになる。荷主に『確実に運賃は上がります』と伝えておくことは、業者の権利というより、むしろ義務になってきているかもしれない」と話す。