安全性優良事業所（Ｇマーク）認定制度で、有効期限が切れたステッカーを貼付したトラックが目立っている。中には、有効期限が２０１０年末までの古いものを張った車両も存在し、ステッカーを貼ったまま売却されたと思われるトラックが中古車ディーラーの展示場に並んでいるケースも散見される。

　同認定制度は３月末時点で、全国で全事業所の23％に当たる１万９２３８事業所が認定を受けている。認定事業者の中には、社内の安全管理体制の構築や社員のモチベーション向上につながったと話す人が少なくない。荷主企業の認知度の高まりを受けて、「運送事業者を選択する上での基準になる」などの理由から取得を目指す事業者も多い。

　今年度に初めてＧマークに挑戦するという大阪府内の運送事業者は「特に中小運送事業者の車両管理担当者や配車担当者は業務が忙しすぎて、ステッカーの管理まで手が回らないのではないか」と指摘する。

　制度開始から10年が経過し、一定の成果を上げてきたＧマーク制度。取得のメリットやインセンティブも充実化されつつあるが、制度のさらなる発展に向けて新たな課題も浮き彫りになっている。