強引な割り込みや幅寄せ行為などに恐怖を感じたと、運送会社やト協などに寄せられる苦情の件数が増えているという。あるト協の職員は「常に撮影するタイプのドラレコを取り付けたマイカーなども増え、後で映像を確認して連絡してくるのではないか」と分析。

　もっとも、そうした苦情を真摯に受け止めて今後に生かすことができれば、それもドラレコの効果かもしれない。ただ、業界事情を知るドライバーの場合だと話が違ってくることもある。「荷主に告げ口があった」と話す西日本地区の運送会社では過日、「オタクの大型はリミッターを外しているのではないか」との問い合わせが舞い込んだという。

　数年前には「リミッターの解除行為」が各地で問題になったが、ここにきて再発を懸念する関係者が増えている。時速１００?で走っている乗用車を、あっさりと追い抜いていく大型トラックの存在を目にすることは日常茶飯事。下り坂なら理解できなくもないが、高速道路の長い上り坂で抜き去られては業界関係者として黙っていられない…ということかもしれない。

　連絡を受けた同社では早速、「すべての大型トラックを調べたものの問題はなかった」と社長。荷主からは「匿名で『証拠の映像もある』という電話が入ってきた」という経緯を教えてもらったが、社長は同業者による密告と決め込んでいる。ただ、「再チェックの機会を与えてもらったと感謝するよ」と前向きに話している。