嵯峨山通商（嵯峨山啓社長、兵庫県朝来市）の本社営業所で９月２９日、天空の城として知られる竹田城跡をラッピングした大型トラックの納車式が開かれた。一昨年に次ぐ２台目で、安全祈願の神事が執り行われた会場には藤岡勇・朝来市長をはじめ、ＵＤトラックスや矢野特殊自動車など関係先から30人近くが参列した。

秋の晴れた朝に発生する濃い霧が城跡を取り囲み、雲海に浮かぶ姿から天空の城として全国に知られる同市の貴重な観光資源。嵯峨山社長は出席者を前に「全国を走って朝来をＰＲするのと同時に、より安全をめざす会社にしていきたい」と話した。

市長と同社の嵯峨山幸広会長が地元・竹田の先輩・後輩ということもあって始まったラッピング車を使った地域振興。同市長は「前年より観光客は増えているものの、コロナ前には戻っていない。２台のトラックがＰＲしてくれることはありがたい」と感謝の思いを伝えた。

今回のトラックのハンドルを任されたのは「２０歳のころからドライバーをやっている」という谷垣浩由さん（５０）。関東から九州の広範囲を運行しているとのことで「市と、会社にも迷惑を掛けないように安全運転を徹底したい」と気持ちを引き締めていた。

大型冷凍車による食品輸送に特化する同社。「矢野特殊さんの協力で、丁番やロッドを取り付ける前にラッピングすることができ、きれいな仕上がりになった」と幸広会長。来年の年明け早々にも１台の代替えを予定しており、天空の城３号トラックとなる見込みだ。