今号では、苫米地英人著「テレビは見てはいけない～脱・奴隷の生き方」
（PHP新書）を紹介します。

私は、もう１年ほど、ほとんどテレビを見ていません。
おそらく、１年間で合計５時間は見ていないと思います。
理由は、他のやりたいことと比べた時に、優先順位が低いからです。
おもしろそうだなと思う番組もありますが、捨てています。
そういう経緯から、本書のタイトルは、書店で見たときにビビッと
来たので、すぐに買って、一気に読みました。
船井総研創業者の船井幸雄が説く「成功の３条件」は、「勉強好き・
素直・プラス発想」です。
これらのうち、最も重要な条件は、素直なことでしょう。
ただし、この「素直」という能力は、間違えて「妄信」ととらえ
られてしまいがちです。
しかし、盲目的に指示やアドバイスに従うのは、間違った行動です。
それは、素直ではありません。
素直とは、未経験や未見聞なことでも、「そういうことも、あるかも
しれないな」と、まずは受け容れることができるという能力です。
まずは先入観なしに受け容れた上で、自分なりに判断するのです。
本書の著者、苫米地英人氏は、世の中には、「自分の思い通りになる
ように世の人の感情を操作しようとする人たち」がいて、その最たる
ものがテレビ関係者だと述べています。
テレビによる強い洗脳効果に気がつき、自らの身を守るよう、警鐘を
鳴らしています。
本書は、そのテレビをはじめ、宗教や会社、上司、世間、親といった
影響を受けてしまいやすい客体に対しても、素直な姿勢で対峙し、
本質を見極め、主体性を失わないための、意識の持ち様を記した良書
です。