佐々木俊尚著「電子書籍の衝撃」（ディスカバー携書）は、急激に
ソーシャルネットワークが発展する今後の時流を押さえるために、
とても有効な書籍です。
本書では、主に、WEB配信サービスの出現、普及によって、近年大きく
変わった音楽業界を引き合いに出して、出版業界の未来を予測し、
そしてさらに、そこから世の中の行方についても論じています。
例えば、ひとつの方向性として、マーケティングターゲットは、マス
から限定されたコミュニティへ、どんどん移っていきます。
本書では、アメリカの学者が提唱した「これからのジャーナリストに
必要なスキル」というものが、紹介されています。
1）的確なタイミングで的確な内容のコンテンツを的確なスキルを
駆使し、多様なメディアから情報を発信する能力
2）多くのファンたちと会話を交わし、そのコミュニティを運用
できる能力
3）自分の専門分野の中から優良なコンテンツを探してきて、
他の人にも分け与えることのできる選択眼
4）リンクでお互いがつながっているウェブの世界で自分の声で
情報を発信し、参加できる力
5）一緒に仕事をしている仲間たちや他の専門家、そして自分の
コンテンツを愛してくれるファンたちと強調していく能力
そして、結論的には「これらのスキルはジャーナリストだけでは
なく、ソーシャルメディア全盛時代に知的活動を行なう人
すべてに当てはまることなのではないか」と、著者は述べています。
全く同感です。
読者の皆様は、まずはツイッターやフェイスブックなどのソーシャル
ネットワークを経験し、その後新しいカタチに適応していって
ください。