土壌汚染対策ビジネスとは、産業活動などで汚染された土を浄化（除去）することで、私たちの生活の中から汚染土壌をなくす（もしくは害がない状態にする）ビジネスです。多くの場合、土地売買に伴い土壌汚染対策を行います。汚染された土地は売買成立が成り立ちにくく、開発にも制限がかかるためです。

　船井総研では「土壌汚染.com」というＷｅｂサイトを運営しています。そして、このサイトを閲覧したという方からの問い合わせが年を重ねるごとに増えています。お問い合わせを頂いた方は不動産関連のビジネス企業、施設や土地を保有する企業、自営業者など様々です。倉庫会社の方もいらっしゃいました。
　土壌汚染という言葉は普段は聞きなれないと思います。しかし、意外と私たちの身近に潜む問題でもあるのです。
　そのような中、最近面白い傾向を感じています。それは、土地を保有する企業が自分たちで土壌汚染対策会社を探し、向き合おうとしていることです。これまで、多くの土地保有者は土壌汚染が発覚した際、建設会社や不動産会社にその問題の対策を全て任せる傾向にありました。しかし、この１年で大きく変化してきているようです。その理由は、土壌汚染に対する注目度の向上と高額な対策費用を抑えるためです。土壌汚染対策はとにかく費用がかかります。その費用を抑えるため、自分たちで安心して任せられる対策会社を探そうという企業、事業者が増えているのです。自分たちで汚染をしてしまったのであれば、他社に任せるのではなく、責任をもって向き合わなければならないという方もいらっしゃいました。
　時代とともに人の関心、考えには変化が生まれます。今、「環境」というキーワードにおいて、省エネやエコに加え、土壌汚染対策という点に注目が高まってきています。環境ビジネス全般で、これからが本番だと感じています。
（株式会社船井総合研究所・小川宏明）
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は11年12月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。