遠いほど安く、近いほど高い「経理作業」の話の続きです。
　比べてみると本当によく分かるのですが、同じ経理作業をお願いするのでも、なぜか、あなたと距離が近くなるほど価格は高くなっていくのです。第１段階と第３段階では、金額が４─１０倍も違います。しかも、価格が高くなるだけでなく、クオリティーが落ちてしまっています。税務調査のときにも、事務員さんでは残念ながら頼りになりません。

　ところが、第３段階よりも、もっと近くて高い経理が存在します。勘のいいあなたは、もう気づいたかもしれません。そうです、第４段階は、「あなたの奥さん」です。距離は最も近くなるわけですが、価格は３０万円以上でしょうか。第１段階と比べると、実に30倍になってしまいました。
　もちろん、奥さんの仕事は経理作業だけではないかもしれません。しかし、実際に経理をしている奥さんに聞いてみると、仕事の中で最も多くの時間を経理作業に費やしているという統計が出ています。
　ひょっとすると、「外部の人に会社の財布の中身を見せるのは気が進まない」という人もいるかもしれませんが、会社経営と個人の財布とは違います。しっかり数字を把握するところから改善がスタートするのです。
　さて、現在、あなたの会社の経理作業は、第１─第４段階の、どの段階にあてはまっていますか？　それは、「経済的合理性」で判断したとき、最も合理的といえる方法ですか？
　あなたの会社ですから、どんな経営方針を打ち出そうが、誰に経理作業をやってもらおうが、社長であるあなたの自由です。でも、もし今、売り上げに困っているという場合は、先日からお話ししているように、月々の固定費を、しっかり見直してみることをお勧めします。