近年、特に増えてきましたが、運送や流通加工などの作業を主体としている企業様で、いかに価格競争から脱するか、という課題をもたれている方は多いのではないでしょうか。その答えの一つが、「プル型のマーケティング・営業システム」の構築です。ＴＥＬアポや飛び込みで「買ってください」というプッシュ型ではどうしても立場が低い営業になり、価格を叩かれやすいでしょう。そこで、お客様の方から「あなたのサービスを買わせてください」と言っていただくような、プル型のマーケティング・営業が必要です。

　具体的な方法として、ホームページの強化、定期セミナーの開催、倉庫見学会の実施などが挙げられます。プル型営業は、お客様にいかに信頼していただき、立ち位置を対等以上にもっていけるかが重要です。ホームページやセミナーを通じて、自社の物流サービスを伝えるだけでなく、情報、その専門性を伝えなくてはなりません。
　ある物流会社様では、ウェブコンテンツの充実を図るために、１０年以上前から物流分野をはじめ、流通やマーケティングをテーマとした研究論文や実務事例をホームページ内で公開されています。また、自社の情報だけでなく、ロジスティクスや経営の分野でのオピニオンリーダーのインタビュー記事も掲載されています。ＳＥＯ対策やアクセス数を増やす要因になるだけでなく、専門性を伝える上でも効果を発揮しています。
　また、ここで大事なのが、マーケティングはデジタル・効率的に、セールスは徹底的にアナログ・非効率的にということです。ホームページやセミナーで見込み客を効率的に集め、営業は一見、非効率に見えてもワントゥーワンで徹底的にアナログ対応してください。
　価格競争に巻き込まれて困っているという方は、どのようにしてプッシュからプルへ転換させるのか、ぜひ実践してみてください。
（株式会社船井総合研究所・河内谷庸高）
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は12年7月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。