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    労働時間改善の代償 ドライバーのやる気低下

    2013年8月19日

     
     
     

     国交省の監査体制の強化など、コンプライアンス経営が求められているトラック事業者。中でも、労働時間の改善は重要な課題だが、その解決は最も難しい問題といえる。
     労働時間の改善に取り組んだ千葉県の事業者は、長時間労働の削減にはつながったものの、売り上げの減少とドライバーのモチベーション低下という悩ましい問題に直面しているという。
     同社は、4トン車をメーンに雑貨を運んでいるが、チャーターではなくフリーで動いているトラックがほとんどだ。そのため、これまでは「稼ぎたい」というドライバーが労働時間などにとらわれず、仕事をするという環境だった。しかし、監査体制の強化などでコンプライアンスが求められるようになり、適正化の巡回指導で労働時間の不備を指摘された。改善しなければ悪質事業者とみなされ、行政による監査が入る。同社は、労働時間の改善に否応なく取り組まなければならなくなったという。


     しかし案の定、ドライバーの抵抗を受けた。法律だから仕方がないと説明するが、「労働時間は働き手が納得していればいいことで、迷惑はかけない」となかなか聞き入れてくれなかった。同社長が「行政処分などを受けて会社がつぶれると、働き口を失うことになる」と説得を試みた結果、しぶしぶ納得して改善に従うようになったという。
     「ドライバーも昔とは違うということを肌で感じており、自分たちが置かれた状況を理解している」と話す同社長だが、「納得して働いて稼いで何が悪いんだという言い分もわからないわけではない」と、歯切れは悪い。
     また、「以前に比べ、明らかにドライバーのモチベーションは下がり、社内の活気は失われていった」と、同社長は指摘する。「法律違反はだめだが、社内が忙しく、みんなが時間に追われながらせわしく動いていた。あの活気があった頃が懐かしい」と漏らす同社長の本音に、労働時間の改善の難しさがみてとれる。

     
     
     
     

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