昨年１２月中旬に短時間限定駐車マスが設置された山陽道下りの福山ＳＡ。駐車マスは大型車７４台、トレーラ９台、小型車との兼用１２台分を確保しており、今回はトイレのすぐ脇にある大型用マス５つを短時間限定に転用した。

訪れたのは１月中旬の午前中で混雑はまったく見られず、４３０休憩やトイレの利用のために止まり、１時間以内に出ていくトラックばかりだった。

「トイレに近いから止めた」というバラセメントを運ぶ山口ナンバーのドライバーは、「ふだんは山口県内がほとんどで、限定マスの存在を今日初めて知った。止める目的をお互い理解できれば、良い取り組み」と評価する。

一方、懐疑的だと話す人は多い。久留米ナンバーで雑貨を積むドライバーは「４月からＰＡに滞在する車が増えることを思うと、本当に混雑する深夜帯に果たして譲り合いができるのか。休息時間を守るために、どうしてもここで車を止めたいという心情に寄り添っていない。１マスでも空きがあったら取り合いなんだから。５マス程度じゃ焼け石に水」と指摘。「並行して緑ナンバーはいつでも割引とか、大型車のマスを増やすことも必要」と話す。

同じく久留米ナンバーで精密機械を運ぶドライバーは４３０休憩で利用。「九州道下りの古賀ＳＡ（福岡県古賀市）でも停めたが大型バスや、昼過ぎでも短時間の利用には見えないようなトラックもいた」という。この男性も「関東を往復するが、１回の運行で高速代をなんぼ払うか道路会社なら分かるやろ。マスの整備も大事だが、通行料をもっと真剣に考えてほしい」。

なお、山陽道下りの龍野西ＳＡ（兵庫県たつの市）に休息で立ち寄ったという福山ナンバーのドライバーは「夜９時ごろだったがマスは空いていたし、長時間止めるような車は見当たらなかった」。同じ境遇にあるドライバー同士の譲り合いに感心したと話している。